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トランプ米大統領、中国企業に米IT企業の売却を命令、個人情報へのアクセスを懸念か

(米国、中国)

ニューヨーク発

2020年03月13日

トランプ米国大統領は3月6日、1950年国防生産法等に基づき、中国IT企業の北京中長石基信息技術(Beijing Shiji Information Technology)に対し、同社が2018年に買収した米同業ステインタッチ(StayNTouch)を売却するよう命じる旨の大統領令を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

トランプ大統領は、ホテル向けに宿泊者や資産の管理を行うモバイルサービスを提供するステインタッチ(本社:メリーランド州)に対する、北京中長石基信息技術の買収行為を安全保障上の脅威と認定した。同社は、全世界でステインタッチと類似のサービスをホテルやレストラン、小売り向けに販売しており、中国電子商取引(EC)最大手アリババからも投資を受けている。ホワイトハウスの発表によると、北京中長石基信息技術は、中国の国内法の下で組織された公的企業として位置付けられている。

ステインタッチの買収自体は2018年9月に完了しており、北京中長石基信息技術は今回の措置を受けて、120日以内(注)に、取得済みの株式や顧客情報などを全て売却・処分する必要がある。第三者に株式などを売却する場合には対米外国投資委員会(CFIUS)の承認を必要とし、また売却するまでの間は顧客情報へのアクセスは一切禁止される。トランプ政権はこれまで、米半導体大手のクアルコムやラティスセミコンダクターに対する外国企業の買収を阻止し、今回が3件目で、IT分野が対象となるのは初めてだ(2019年12月2日記事参照)。

北京中長石基信息技術の広報担当は、今回の措置を不当とし、米政府が決定の根拠を十分に説明していない、と批判した。同社は「米政府の懸念を解消するよう、顧客データへのアクセスの制限や独立した第三者による監視などの措置を提案したが、米政府に拒否された」とコメントしている。

今回の買収が安全保障上の脅威である根拠について、ホワイトハウスは詳細を明らかにしていないが、今回の措置では上記命令のほか、北京中長石基信息技術および関連子会社がステインタッチの顧客情報にアクセスできない体制を、遅くとも7日以内に整えるように指示が出ており、トランプ政権がステインタッチの保有する顧客情報が中国に流出することを懸念した可能性がある。2020年2月に施行された「2018年外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)」では、CFIUSの審査対象取引の範囲が拡大され、米企業が保有する機微な個人情報へのアクセスを可能にする投資が対象として追加されている(2020年2月20日記事参照)。

(注)上記120日に加え、最大90日の追加猶予期間を与えられる可能性がある。

(藪恭兵)

(米国、中国)

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