ウォレン氏が撤退、支援候補の判断は保留、米民主党大統領候補争い

(米国)

ニューヨーク発

2020年03月06日

米国のエリザベス・ウォレン上院議員(マサチューセッツ州選出)が3月5日、民主党大統領候補者争いからの撤退を発表した。これでジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)よる候補者争いに事実上絞られることとなった。

ウォレン氏は電話会見を開き、選挙活動を停止する意向を伝えた。選挙スタッフには「われわれが世界に発した考えや選挙戦で築いた関係など全ては今後の選挙、その先へと引き継がれていく」と語った。ウォレン氏は年収5,000万ドル以上の高所得者を対象とする富裕税や学生ローン免除、国民皆保険制度(メディケア・フォー・オール)の実現を公約に選挙戦を展開した。2019年10月には世論調査で首位に立ったが、その後失速し、大統領候補選の大きな山場であるスーパーチューズデーでの結果が振るわず、自身の選出州のマサチューセッツ州でも支持が伸びなかった。(2019年3月5日記事参照

ウォレン氏はどの候補の支援に回るかとの報道陣からの問いかけに対して、「この瞬間に決めることはない」としばらく保留して検討する考えを示した。CNN(米東部時間3月5日午後11時時点)によると、これまでの獲得代議員数はバイデン氏が552人、サンダース氏が489人、ウォレン氏は39人となっている。

なお、3月10日には一般代議員数の比較的多いミシガン州(一般代議員数125人)やワシントン州(同89人)を含む6州で予備選あるいは党員集会が予定されている。サンダース氏は「ミシガン州の人々は北米自由貿易協定(NAFTA)や中国(との貿易関係正常化)に苦しんできた。私はそれらに猛反対したが、バイデン氏は支持した」と述べ、貿易問題を材料の1つに巻き返しを図る姿勢を見せている。3月4日の「デトロイト・ニュース」紙とWDIV-TVによるミシガン州の世論調査での支持率では、22.5%のサンダース氏に対して、バイデン氏が29%とリードしている。

(藪恭兵)

(米国)

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