韓国、2019年のエコカーの販売・輸出は拡大

(韓国)

ソウル発

2020年03月19日

3月に発表された2019年韓国の自動車産業は生産、輸出ともに落ち込んだものの(2020年3月18日記事参照)、低公害車(エコカー)については状況が異なっている。韓国自動車産業協会(KAMA)が発表(2020年1月)した自動車産業統計によると、韓国の2019年における低公害車(エコカー)の国内販売台数は前年比18.5%増の11万219台、輸出台数は31.8%増の25万8,937台となった。2019年の自動車全体では生産、国内販売、輸出ともに不振だったが、産業通商資源部の発表資料(1月)によると、低公害車は国内販売、輸出ともに過去最高を記録した。

低公害車の国内販売台数は、プラグインハイブリッド(PHEV)を除く全ての種類が増加した。特に、水素電気自動車などの燃料電池自動車(FCV)は、水素を充填(じゅうてん)する水素ステーションなどインフラが拡充されたことから、前年に比べ5.6倍となった(表1参照)。

表1 低公害車の種類別国内販売

輸出台数は、世界的な環境規制の強化に伴って需要が増加し、全ての種類で増加した(表2参照)。ハイブリッド車(HV)のモデルではヒュンダイ・アイオニック、電気自動車(EV)のモデルではヒュンダイ・コナなどが輸出増加を牽引した。

表2 低公害車の種類別輸出

輸出を地域別にみると、欧州が前年比58.7%増、北米が9.2%増になるなど、先進国を中心に好調だった(表3参照)。

表3 低公害車の地域別輸出

低公害車における法制度については、税制優遇措置が延長されるなど、2020年も販売台数の増加が見込まれている(表4参照)。

表4 低公害車における法制度

なお、産業通商資源部は「市場自立型3世代EV産業育成事業」を公告した。2020年から2025年まで総額3,856億ウォン(約327億7,600万円、1ウォン=約0.085円)規模で、中小・中堅自動車部品メーカーを対象に支援する予定だ。重点支援分野として、低公害車の競争力の核心技術となる(1)エネルギー貯蔵および充電(バッテリーパックの小型化および軽量化など)、(2)駆動および電力変換(モーターの効率改善)、(3)空調および熱管理(熱管理システムの最適化など)、(4)水素燃料電池(耐久性の向上など)の4つを選定し、支援していくとした。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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