韓国の2019年の自動車は生産、輸出ともに不振

(韓国)

ソウル発

2020年03月18日

韓国自動車産業協会(KAMA)が発表した自動車産業統計によると、2019年の国内生産台数は前年比1.9%減、国内販売台数(輸入車を除く)は0.9%減、輸出台数は2.0%減、海外生産台数は4.3%減となった。韓国の産業通商資源部は国内生産について、ルノーサムスンの受託生産の減少、韓国GM(ゼネラルモーターズ)のストライキによる生産停滞、国内生産ラインの調整などにより、1.9%減の395万614台だったと分析した(表1参照)。

表1 メーカー別・部門別国内生産台数の推移

輸入車を除く国内販売台数は、韓国政府の需要喚起政策、メーカーによる新車マーケティングの強化などにもかかわらず、景気低迷、消費心理の萎縮、一部メーカーが新車を発売しなかったことなどにより、前年比0.9%減の153万8,826台となった(表2参照)。

表2 メーカー別・部門別国内販売台数の推移

輸出台数は、世界の景気見通し不透明による需要減少、一部メーカーが新車を発売しなかったことを受け、北米を除く全地域での輸出が不振となり、前年比2.0%減の240万1,383台だった(表3参照)。

表3 メーカー別輸出の推移

2大メーカーの海外生産台数については、現代は米国やブラジルが増加したものの、中国、インド、チェコ、ロシア、トルコが減少し、前年比7.3%減の262万3,976台となった。起亜はスロバキアと米国が増加し、2.5%増の125万9,349台だった(表4参照)。

表4 2大メーカーの海外生産台数の推移

他方、韓国輸入自動車協会(KAIDA)によると、2019年の輸入乗用車販売(KAIDA会員企業の登録ベース)は、前年比6.1%減の24万4,780台となった。日本車は、2019年上半期までは堅調だったが、日本製品に対する不買運動を受け、ホンダを除いて減少が目立った(表5参照)。

表5 メーカー・ブランド別輸入乗用車販売台数

なお、2020年の自動車産業については、先行きが不透明だ。新型コロナウイルス感染症を受けた中国の旧正月(春節)の連休延長により、在中国自動車部品メーカーの生産が中断し、これを受けて韓国完成車メーカーの生産が減少したためだ。産業通商資源部によると、中国は韓国の自動車部品輸入の29.2%を占め、ワイヤーハーネス、ハンドル、エアバッグなど、主に労働集約型の自動車部品を中国に依存している。

実際、現代自動車の2020年2月販売業績をみると、国内販売が前年同月比26.4%減の3万9,290台、海外販売が10.2%減の23万5,754台となった。同社は、新型コロナウイルス感染症による生産停滞と世界における需要減少が影響したと発表した。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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