ファハファーハ内閣組閣、4カ月半の無政府状態に終止符

(チュニジア)

パリ発

2020年03月10日

チュニジアのファハファーハ新内閣(添付資料参照)が2月27日に国民代表議会(ARP)で承認され、2019年10月に行われた国民議会選挙後の組閣がようやく完了した。選挙で第1党となったイスラム穏健派政党アンナハダから首相に指名されたハビブ・ジェムリ氏が1月2日に発表した新内閣は、議会の不信任決議を受けて成立しなかった(2020年1月16日記事参照)。これを受けて1月20日に、カイス・サイード大統領がイリエース・ファハファーハ氏(47歳)を新たに首相に指名し、同氏は大統領の承認を経て、2月19日に新内閣のメンバーを発表していた。

2月26日に招集された議会ARPで、翌日未明に新内閣の信任投票が行われ、賛成129票、反対77票、棄権1票で信任された。閣僚数は、シャヘド前内閣の39人から32人に縮小された。うち、女性閣僚は4人にとどまったが、アラブ諸国で初めて女性の法相が誕生した。

32閣僚のうち15人は無党派、残り17人は各政党の出身者から構成される。ARPで第1党(54議席)のアンナハダ党から6人、第2党の民主路線(Courrent democrate、22議席)から3人、ほか4党から2人ずつ入閣した。組閣作業が難航したことを受け、内閣の構成も保守派と急進派が混在し、無党派が約半数を占めるなど、今後の政権運営に困難が予想される。

(渡辺智子)

(チュニジア)

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