GCC各国でも渡航制限が広がる、新型コロナウイルスの影響拡大

(オマーン、クウェート、バーレーン、カタール、中東)

ドバイ発

2020年03月09日

世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスは、中東地域にも影響が及んでいる。湾岸協力会議(GCC)加盟国での感染者は、バーレーン(85人、3月8日時点)、クウェート(61人、同7日)、アラブ首長国連邦(UAE)(45人、6日)、オマーン(15人、4日)、カタール(12人、7日)、サウジアラビア(11人、8日)と合計で229人となった。感染者はUAEを除いてイランに渡航あるいは退避した居住者が多いとみられるため、各国ともイランとの渡航制限の動きを拡大させてきた。また、GCC内の国民に認められていた各国IDによる出入国もできず、パスポートの掲示が求められている。

クウェートでは、感染が発生した複数の国とのフライト運航を順次停止し、渡航者の入国を制限しているほか、感染拡大の懸念国に対しては非感染証明書の提出を義務付けた。保健省は市民に旅行を自粛するように要請するとともに、感染地からの国民の退避も進めており、検疫のために帰国後一定期間の隔離措置を取っている。3月3日には、日本を含む5カ国からの渡航者を入国後に14日間自宅待機させる措置を講じた(日本の外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)。また、3月1日から2週間の予定で学校などの教育施設を閉鎖している。

バーレーンでは、日本を含む複数の感染発生国からの訪問者の入国を制限している(日本の外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)ほか、イラン経由の帰国を懸念してか、UAEからのフライトを制限している(2020年3月5日記事参照)。

2月末に初めて感染者が報告されたオマーンでは、同月から入国制限措置を段階的に取っており、2月22日に日本を含む対象5カ国(中国、韓国、日本、シンガポール、イラン)からの渡航者への検疫実施(日本の外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)を発表していたが、3月2日にそのうちのシンガポールと日本からの渡航者の検疫は解除したと発表した(日本の外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)。また、中国と韓国、イラン、イタリアからの渡航者には陸海空全ての国境での入国禁止措置(日本の外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)を発表している。

カタールでは、イランからのチャーター便で退避・帰国した人に感染が限定されている。3月1日以降はエジプトからの入国を停止している。

(田辺直紀)

(オマーン、クウェート、バーレーン、カタール、中東)

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