UAEでは学校が臨時休校、イベント中止やフライト減便など影響広がる

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年03月05日

アラブ首長国連邦(UAE)連邦教育省は3月3日、世界的に感染が拡大する新型コロナウイルスの予防のため、国内の大学を含む全ての学校で、月末から予定されていた春休みの開始を早め、3月8日から4週間の臨時休校の措置を取ることを発表した。春休みは元々2週間程度で予定されていたことから、追加休校となる2週間については在宅での補修指導を各学校に要請した。UAEでは、これに先んじて2月29日から保育園の休校措置が取られており、今回の措置で全ての教育・保育機関が臨時閉鎖となる。

多くの文化イベントの催しにも影響が出ており、3月4日時点で、3月5日から予定されていた音楽フェス「ウルトラ・アブダビ」、3月20日から予定されていたK-POPのライブイベント「ミュージック・バンク・イン・ドバイ」、3月28日から予定されていたアート関連の大型イベント「第14回アート・ドバイ」などがそれぞれ延期になっている。ビジネス関係の展示会については、3月10日からのヨットや船舶関連の国際展示会「ドバイ国際ボートショー」が延期となった一方、3月5日からの「ミドルイースト・フィルム・アンド・コミコン2020」は必要な防疫措置を取った上で開催される予定だ。

UAE保健・予防省は3月3日に新たに6人の感染を発表しており、同日時点で感染者の総数は27人。海外との人の往来については、北京以外からの中国便の運航が2月5日以降停止されているほか、近隣のイラン路線が2月25日以降停止、バーレーン路線が2月27日以降の全便と29日以降の一部路線で停止となっている(ドバイとシャルジャからの便が対象、アブダビは対象外)。またUAE国民に対し、感染への懸念から2月24日からイランとタイへの渡航禁止を通達している。こうした航空需要の減少を受け、ドバイのエミレーツ航空は3月1日、アブダビのエティハド航空は3月4日に、従業員に対してまとまった休暇を取るように通知した、とロイター通信が報じている(エティハド航空のスポークスパーソンはこれを否定)。

(田辺直紀)

(アラブ首長国連邦)

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