単純型株式会社(S.A.S.)の規則改正、起業家のハードル上がる

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年03月24日

アルゼンチン司法総監察局(Inspección General de Justicia:IGJ)は3月16日、官報で決議9/2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、決議6/2017で定めている単純型株式会社(通称S.A.S.)に関する制度に修正を加えた。

アルゼンチンで会社を設立する際、株式会社(S.A)、有限会社(S.R.L.)、支店といった企業形態を選択することになるが、マウリシオ・マクリ前政権は起業手続きの簡素化を通じた投資誘致や経済活性化を目的として、2017年9月28日に、オンライン手続きのみで申請後24時間以内に会社を設立できる単純型株式会社(S.A.S.)という形態を新たに設けた(参照)。既に2万社を超えるS.A.S.の企業が設立されている。

今回の決議は、S.A.S.制度を悪用した犯罪を防ぐための措置と説明しており、主な変更点として、S.A.S.の新規設立に際して申請された資本金が不十分と判断する場合、IGJは事業計画を分析した報告書の提出(公認会計士による署名が必要)を求めることが可能となる。これまでは、最低賃金2カ月分相当の資本金が必要とされていた。そのほか、今回の修正で、期末決算承認後15日以内にオンラインでIGJに財務諸表を提出しなければならないなど、幾つかの新たな条件が追加された。

現地メディアiProUP(3月12日付)によると、アルゼンチン起業家協会(ASEA)のアレハンドロ・ラミレス代表は、今回の修正によって「起業家にとって起業へのハードルが上がるだけでなく、それぞれの判断への裁量や、不透明性、不必要な官僚主義、法的な不安定さが増す」と指摘した。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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