内閣改造で新型コロナウイルス対策の保健長官など2人が新入閣

(ケニア)

中東アフリカ課

2020年03月10日

ケニアで1月14日に内閣改造が行われ、外務・国際貿易長官や財務・計画長官など閣僚8ポストの入れ替えがあった。ヘンリー・ロティッチ財務・計画長官と、ムワンギ・キウンジュリ農業・灌漑(現在は農業・畜産・水産・協同組合)長官が退任した。8ポストのうち、ウフル・ケニヤッタ大統領が新入閣として指名した保健長官と産業・貿易・企業開発長官の2閣僚に対し、2月26日に議会が承認し、28日にナイロビで宣誓式が行われた(2月28日、ケニア大統領府プレスリリース)。

保健長官にはムタヒ・カグゥェ氏が就任し、ケニヤッタ大統領は新型コロナウイルスから国民の安全を守るため即時に取り組むよう指示した。また、政府の主要政策の1つであるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ実現のため、全ての関係者と密接に連携するよう求めた。

産業・貿易・企業開発長官はベティ・マイナ氏で、ケニヤッタ大統領は米国との通商交渉(2020年2月14日記事参照)を進めるため担当チームを編成するよう指示した。また、今後の運用開始が予定されるアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)からケニアが利益を享受できるよう取り組むことも求めた。

ケニヤッタ大統領は宣誓式で2長官や新任の各省次官に対し、汚職根絶への協力と高潔さを保つことを要請した。ロティッチ前財務・計画長官がダム建設をめぐる汚職疑惑で退任に追い込まれたことが念頭にあるとみられる。ウクル・ヤタニ氏が財務・計画長官代行から同長官に就任し、経済活性化や公的債務の削減が期待されている。

上記3長官以外の内閣改造による新ポストは以下のとおり。

  • レイチェル・オマモ外務・国際貿易長官(前国防長官)
  • ピーター・ムニャ農業・畜産・水産・協同組合長官(前産業・貿易・協同組合長官)
  • モニカ・ジュマ国防長官(前外務・国際貿易長官)
  • サイモン・チェルギ労働・社会保障サービス長官(前水・衛生長官)
  • シシリー・カリウキ水・衛生長官(前保健長官、議会の承認待ち)

(小松崎宏之)

(ケニア)

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