政府、第3号軍事令にて外出制限の厳格化を発表

(ルーマニア)

ブカレスト発

2020年03月27日

3月24日、ルーマニア内務省は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言(2020年3月24日記事参照)の追加措置として第3号軍事令を発表した。移動制限や高齢者の外出制限強化、入国後の隔離措置などについての新たな措置は翌25日12時以降適用されている。これにより、ルーマニア全土で、以下の例外を除く全ての移動が原則禁止された。

  1. 通勤
  2. 医療行為のための通院
  3. 本人や家畜のための食料などの生活必需品、職業上必要な物品調達
  4. 子供、高齢者および障害者の世話
  5. 家族が死亡した場合
  6. 自宅近くでの個人的な運動やペット・家畜の必要性に応じた外出
  7. 献血のための献血センターへの外出
  8. 人道的またはボランティアの活動
  9. 農業関連活動 など

65歳以上の高齢者は、原則午前11時~午後1時の時間帯のみ、生活必需品確保、通院、運動、家畜の世話などの正当な理由がある場合に限って自宅近隣への外出が認められている。ただし、職業上の理由や農作業などの場合は、これ以外の時間帯の外出は可能である。

上記の理由による外出の際は、内務省作成のフォームを用い、外出理由を明示した自己証明書もしくは雇用主による証明書を携帯する義務がある。これらは外出時、当局に求められた場合に提示する必要があるが、不携帯の場合には刑事罰を含めた法律の規制対象となる。

その他、外国からの全ての入国者は、自主隔離もしくは施設隔離されることが決定された。また、25日午後11時以降、ルーマニアとフランスおよびドイツを結ぶフライトは14日間停止されている(ただし、政府専用機、貨物および郵便、緊急医療サービス、非商業的な技術的発着許可は対象外)。

ルーマニアでは緊急政令(議会承認を必要としない政令)が毎年100本以上発出されるのが通例だが、今般の大統領の非常事態宣言を受け、さらに、各省庁により迅速で強い権限を与える「軍事令」が内務省から複数発出されている(2020年3月26記事参照)。これは異例の措置。これを受け、国防省は国内警備活動を強化しており、ブカレスト市内では警察車両に加えてルーマニア軍の軍用車が巡回警備を開始している。

(ミンドル・ユニアナ、水野桂輔)

(ルーマニア)

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