ルーマニア政府、非常事態宣言を発表

(ルーマニア)

ブカレスト発

2020年03月24日

ルーマニアのクラウス・ヨハニス大統領は3月16日、国内での新型コロナウイルス感染拡大を受け、緊急事態宣言を発表した。16日以降30日間が対象となり、これにより、必要な措置が講じるための国の権限が強化される。

すでに開始されている学校の休校は継続され、在宅で学習中の子女の監督のため一人の親について、休暇の取得を認める法律が施行された。医療品、食品、エネルギー料金(電気、ガス、水道、燃料など)については、必要に応じて政府は、過去3ヶ月の平均価格で据え置く措置がとれるようになった。公共交通機関の運行については継続されるが、政府は国民に対し移動を必要最小限にとどめることを求めている。

医療分野においては、医療従事者の不足を防ぐため、医療スタッフや薬剤師などの採用方法を簡略化し、採用試験なしで6ヶ月間の有期雇用契約を可能とすることが定められた。また、重要な医療機器、医療品の確保については、政府が直接調達手続きを行うこととなる。

他にも、ルーマニアの緊急事態委員会の評価を基に、現在徐々に導入されている対策として以下のようなものがある。

  • 感染リスクの高い国外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますからの入国後は、14日間の自宅など滞在先での強制的隔離などの措置
  • 段階的な国境閉鎖
  • レストランの営業制限、公共施設の閉鎖
  • 民間車両の移動に関する制限
  • 段階的な航空((現在、ルーマニア~イタリアとスペイン間の旅客航空機の運行を一時停止)、鉄道、自動車、道路、地下鉄の運行一時停止、海上や河川の通行一時停止
  • 新型コロナウイルス治療のための医薬品の在庫管理、生産および流通の統制、医療品などの調達

経済面においては、ルーマニア税管理庁(ANAF)が、債務の強制執行の停止、4月1日以降新たな付加価値税還付メカニズムの実施、税務監査の停止(リモートで実行可能な定期的な監査、および詐欺の疑いに対する監査は対象外)、国境検問所での業務一時停止といった措置を講ずると発表している。

なお、3月22日現在、ルーマニアにおける新型コロナウイルスの感染者数は433人、死者2人となっている。

(ミンドル・ユニアナ)

(ルーマニア)

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