新型コロナウイルス拡大防止へ中国人の入国停止を一時的に強化

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年02月21日

ロシアのミハイル・ミシュスチン首相は2月18日、就労や個人旅行、就学、観光目的でロシアを訪れる中国市民に対し、ロシア国境の通過を一時的に停止する連邦政府指示(2020年2月18日付第338-r号)に署名した。

既に1月31日には、連邦保安庁による中国人のビザなし団体観光旅行での国境通過の一時停止と、内務省と同地方局による中国人への就労ビザ申請に必要な招待状の申請受付および発給の一時停止、ロシアでの雇用と就労許可の発給を一時停止としていたが(2020年2月4日記事参照)、今回これに加えて2月19日から、個人旅行と就学目的の中国人のビザ申請と発行の一時停止を行い、20日から入国禁止とした。

なお、外務省ウェブサイト(2月19日)によると、公用、商用、人道目的、通過(トランジット)ビザの発給は停止されておらず、これらのビザでの中国人の入国は可能とされている。

新型コロナウイルス対策本部を率いるタチヤナ・ゴリコワ副首相は2月18日、対策本部での発表で、今回の決定は、中国での感染状況の悪化と継続する中国人の入国に関して、政府の対策本部会議で採択し、国家の安全とロシア国民の健康を感染拡大から守るための措置と述べた。

今回の措置について、ロシア連邦移民局の前副局長で「XXIセンチュリー移民財団」のビャチェスラフ・ポスタブニン氏は「特定のある1カ国の市民に対する、今回ほど全面的な入国禁止の例は思いつかない」としている(「コメルサント」紙2月19日)。

(秋塲美恵子)

(ロシア)

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