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2019年のロシア港湾貨物取扱量が2.9%増加、バルト諸国の港湾は苦戦

(ロシア、ラトビア)

サンクトペテルブルク発

2020年02月20日

ロシア運輸省が発行する業界紙「トランスポート・ロシア」(電子版)は2月13日、2019年のロシアの港湾貨物動向の分析を掲載し、ロシアでの港湾インフラ開発を背景とした市場動向と見通しに肯定的な評価を下している。一方で、各紙報道によると、ロシアの港湾の攻勢により、バルト海周辺諸国の港湾は苦戦を強いられている。

「トランスポート・ロシア」によると、2019年のロシアにおける港湾貨物の取扱量は、前年比2.9%増の8億4,030万トンに達した。2018年に引き続いての前年比増加だ(2019年1月25日記事参照)。2019年の取扱量の内訳は、ドライ貨物が3億7,600万トン(3.0%減)、液体貨物が4億6,430万トン(8.2%増)となった。製品別では、上位に原油2億7,610万トン(8.1%増)、石炭1億7,600万トン(9.0%増)、石油関連製品1億4,990万トン(3.3%増)と、エネルギー関連貨物が並ぶ。2018年に引き続き顕著な伸びを示したのは液化ガスで、41.6%増の3,280万トンを記録した。地域別内訳では、アゾフ・黒海域港湾が2億5,810万トン(5.2%減)、バルト海域港湾が2億5,640万トン(4.1%増)、極東地域港湾の2億1,350万トン(6.5%増)と続く。

同紙は、成長要因としてロシアの港湾インフラ開発を挙げている。極東地域港湾「ボストチヌィ」港やアゾフ・黒海域港湾のコンテナターミナルの再建など、2019年に複数の港湾における大規模なインフラ開発および操業により、ロシアの貨物取扱量が増加したと指摘。さらに、ムルマンスク港の石炭ターミナル建設や、バルト海におけるバルク貨物海上輸送の実証調査など、今後もロシアの各地で港湾インフラ開発が貨物輸送の好況を支えると見込む。

写真 ムルマンスク貿易港(ジェトロ撮影)

ムルマンスク貿易港(ジェトロ撮影)

ロシアの港湾が競争力を高めるにつれて、ロシアの貨物需要に依存してきたバルト海各国の港湾は苦戦している。オンラインニュース大手「レグナム」(2月13日)によると、ラトビアのリガ港やエストニアのタリン港など、バルト海の各主要港湾の貨物取扱量は近年、減少を続けており、2019年は前年比28~30%減少している。また同紙は、バルト海に面して開港が計画されている多目的港湾複合施設が2024年に完成すると、バルト海各国の港湾需要の激減が予想されるとしている。

物流が主要産業の一角であるラトビアでは危機感が強く、巻き返しを狙う議論が進められているが、決め手となる打開策は見つかっていない模様だ。「ラトビア公共放送」(電子版1月22日)は、ロシアで進む港湾インフラ開発を背景に「ラトビアの貨物輸送が、ロシアによる需要にこれ以上依存できないことは明らか」だとした上で、代替需要先として中国が候補に挙がっているものの、「まだ具体的な成果につながっていない」と指摘している。また、「バルチック・タイムズ」紙(1月29日)によると、ラトビアのクリシュヤーニス・カリンシュ首相はメディアのインタビューに対し、「ラトビアの主要港であるリガ港とベンツピルス港は、今後のロシアからの貨物需要の減少に備えなければならない」と、危機感を表明した。

(一瀬友太)

(ロシア、ラトビア)

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