2019年12月の貿易収支は52億豪ドルの黒字、24カ月連続で黒字達成

(オーストラリア)

シドニー発

2020年02月14日

オーストラリア統計局(ABS)は2月6日、2019年12月の貿易収支(財・サービス収支)を発表した。12月の貿易黒字は52億2,300万オーストラリア・ドル(約3,865億200万円、豪ドル、1豪ドル=約74円)となり、前月から5%(2億9,500万豪ドル減)減少したが、単月では24カ月連続で黒字を達成した。

また、2019年の貿易収支は676億2,400万豪ドルの黒字となり、2018年の229億6,600万豪ドルから3倍近く増加した。

2019年第4四半期(10~12月)の財の輸出(非貨幣用金を含む)は、前期比4.5%減の962億9,400万豪ドルだった(表1参照)。品目別にみると、資源の輸出が引き続き大きな割合を占めたものの、前期と比べて石炭は11.1%減、鉄鉱石・鉱物は8.9%減となった。農産品は、穀物が13.2%増、肉・肉調製品が10.7%増で、全体として6.8%増となった。

表1 品目別の財輸出

財の輸入は、前期比0.9%増の814億4,400万豪ドルとなった(表2参照)。品目別にみると、消費財(1.4%増)、資本財(2.8%増)、中間財・その他(3.3%増)と全体的に増加したが、消費財では食品・飲料(0.9%減)、自動車(0.8%減)、資本財では工業輸送機器(14.1%減)、通信機器(3.1%減)がそれぞれ減少した。

表2 品目別の財輸入

サイモン・バーミンガム貿易・観光・投資相は「記録的な貿易黒字は輸出の拡大に支えられており、連邦政府がこれまで締結してきた質の高い自由貿易協定(FTA)によるものだ」と今回の結果を歓迎した。また、「干ばつや山火事、新型コロナウイルスの感染拡大によって、国内経済と輸出業者が課題に直面していることを強く認識しており、こうした局面だからこそ、農家や企業が新たな市場を開拓できるよう、EUや英国などの主要貿易相手国・地域とFTAを進めている」と力説した。

オーストラリアでは、2019年11月にインドネシアや香港、ペルー各国・地域とのFTA/経済連携協定(EPA)の批准に関する法案が連邦議会を通過した(2019年12月3日記事参照)。オーストラリア・香港自由貿易協定(A-HKFTA)は1月17日に発効済み、ペルー・オーストラリア自由貿易協定(PAFTA)も2月11日に発効した。バーミンガム大臣は「ペルーとのFTAや、数カ月後に発効するインドネシアとのEPAによって、恩恵がもたらされることを楽しみにしている」と期待を寄せた。

(住裕美)

(オーストラリア)

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