新型コロナウイルスの流行を受けて、全人代延期を正式決定

(中国)

北京発

2020年02月26日

新型コロナウイルスの累計感染者は、中国全土で7万8,064人(前日比406人増、2月26日午前0時時点、以下同)、うち現在の感染者数は4万5,604人となった。湖北省での感染者は6万5,187人で、全体の83.5%を占めた。このほか、広東省は1,347人、浙江省は1,205人となっている。中国全土の死者は2,715人、退院した感染者は2万9,745人となった。

第13期全国人民代表大会(全人代)常務委員会が2月24日に開催され、第13期全人代第3回会議の延期が決定された。同決定においては、新型コロナウイルスの重大な流行状況を踏まえ、党中央による疫病の感染拡大防止と経済・社会発展の重要な取り組みを貫徹し、引き続き感染拡大防止業務をしっかりと行い、人民大衆の生命・健康・安全を確実に保障するため、第13期全人代第3回会議(当初の予定は3月5日)の開催を延期し、具体的な開催時期は全人代常務委員会において、あらためて決定するとされた。全人代の延期に関しては、2月17日の同委員会第47回委員長会議において、第13期全人代第3回会議の延期に関する決定草案を審議することが提案されていた(2020年2月18日記事参照)が、このたびの決定によって正式に延期となった。

また、中国人民政治協商会議の第13期全国委員会の第33回主席会議も先日開催され、全人代と同様に、3月3日開催となっていた同会議第3回会議について延期し、具体的な開催時期は追って確定することが提起された。

一部地域で重大突発公共衛生事件レベルを引き下げる動きが続く

なお、一部の地域においては、「重大突発公共衛生事件」レベルを「1級事件」(特に重大)から引き下げる動きがみられる(注)。2月21日に甘粛省が3級に、22日に遼寧省が3級に、23日に貴州省が3級に、24日から雲南省、広西チワン族自治区が3級に、広東省、山西省が2級に引き下げたほか(2020年2月25日記事参照)、2月25日には内モンゴル自治区、青海省が3級に、江蘇省、安徽省、四川省、新疆ウイグル自治区が2級に引き下げることを発表している。

(注)1級は国務院の決定と指揮に基づいて対策を取るとされており、2級は省レベルで対策を指揮できる。

(小宮昇平)

(中国)

ビジネス短信 780408be9cff8185