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欧州委、EU・ユーロ圏の2020年の経済成長予測を据え置き

(EU)

ブリュッセル発

2020年02月14日

欧州委員会は2月13日、冬季経済予測(中間見通し)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、EU加盟27カ国の2020年と2021年の実質GDP成長率をそれぞれ1.4%、ユーロ圏についてもそれぞれ1.2%と発表した。前回の2019年秋季経済予測(2019年11月8日記事参照)からいずれも据え置いた(表1参照)。域外の事業環境に課題は残るものの、雇用創出と賃金上昇、景気支援策によって、緩慢ながら内需主導型の成長が続くとの見方を示した。

民間消費と建設部門を中心とする投資が引き続き経済成長の原動力となる一方、多くの加盟国における運輸・デジタルインフラへの公共投資の拡大が期待されている。また、製造業の安定化の暫定的な兆候が見えており、これに世界貿易の減速に歯止めがかかれば、欧州経済は引き続き拡大するとした。欧州委は、2018年7月に発表した夏季経済予測以来、原油価格の変動や貿易摩擦、先行き不透明感を背景に、経済成長率の予測値の下方修正を繰り返してきたが、経済成長の減速は一段落するとの見通しだ。

欧州委はEU主要国の2020年の実質DGP成長率について、ドイツ(1.0%→1.1%)とスペイン(1.5%→1.6%)で予測値を上方修正し、フランス(1.3%→1.1%)とイタリア(0.4%→0.3%)を下方修正した(表1参照)。また、フィンランド(1.1%→1.5%)とハンガリー(2.8%→3.2%)は0.4ポイント上方修正、ベルギー(1.0%→1.2%)、スウェーデン(1.0%→1.2%)、ルーマニア(3.6%→3.8%)などは0.2ポイントの上方修正となった。一方、スロバキア(2.6%→2.2%)は0.4ポイント、ラトビア(2.6%→2.3%)は0.3ポイントの下方修正となった。

表1 各国の実質GDP成長率見通し

欧州委は、2020年のEU加盟27カ国のインフレ率の予測値を1.5%(前回予測より0.1ポイント上方修正)、2021年は1.6%に据え置いた(表2参照)。賃金上昇に後押しされたコア・インフレ率(エネルギーと食品を除いた消費者物価指数の上昇率)と、原油価格に上昇の兆しが見えていることを理由に挙げた。また、ユーロ圏の2020年と2021年のインフレ率はそれぞれ1.3%と1.4%と共に0.1ポイント上方修正した(表2参照)。

表2 各国の消費者物価指数上昇率の見通し

米中貿易摩擦、英国のEU離脱は引き続き懸念要因

欧州委は、米国と中国の第1段階の経済・貿易協定合意(2020年1月16日記事参照)により、米中貿易摩擦の緊張はある程度は緩和されたが、米国の通商政策を取り巻く不透明感が引き続き景況感の回復の妨げとなると指摘。中南米の政情不安や中近東の地政学的緊張の高まりもリスクに挙げた。1月末にEUから離脱した英国に関しては、2020年末までの移行期間中の通商関係は明確になったものの、その後の将来関係に大きな不確実性が残っていると指摘した。

なお、今回の経済予測は新型コロナウイルスについて、2020年第1四半期(1~3月)が感染のピークとなり、世界的にはそれほど広がらないとの仮定に基づいて作成された。ただし、感染の影響が長引けば、景況感や資金調達状況に悪影響が生じるリスクがあると欧州委はみている。

(村岡有)

(EU)

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