製造現場のIoT化に向け、CAD製図の国家技能認定試験を実施

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年02月28日

インドネシアの首都ジャカルタで2月18、19日、CAD(computer-aided design、キャド)製図の国家技能認定試験が、日本技能検定制度を踏襲した技能試験として初めて実施された。日系製造企業などから22人が受験した。試験は、実技認定試験と学科試験から成り、CADシステムを用いて作成された2次元作図の結果と、「寸法公差」「表面粗さ」などの作図上の基本知識の理解が主に問われた。

今回新たに試験項目に追加されたCAD製図は、近年進む製造現場のモノのインターネット(IoT)化やインダストリー4.0の流れを向け(2020年2月4日記事参照)、各業界において、コンピュータを活用した人材の採用が求められている中で、技能認定実施委員会において新規職種として実施することを決定したもの。2D-CADは、立体物部品形状を2次元図面で正しく表現する世界基準の手法で、ものづくりには不可欠な作図法とされる。実技評価は、日本の厚生労働省から派遣される専門家の支援を受けて実施する。

インドネシアでは、日本式の技能試験をインドネシアの国家認定試験として2006年から実施している。国家職業訓練認可庁(BNSP)、インドネシア金型工業会(IMDIA)、および日系・現地企業から成る国家技能認定実施委員会が主体となって、試験の実施に当たっている。これまでに、測定技能、金型仕上げ、設備保全、フライス盤、研削盤、樹脂成形、金型プレス加工の7種の国家技能認定試験を実施しており、2019年までに2,215人が合格している。これらの試験は、インドネシアの人材育成に大きく貢献をしてきた。

インドネシア金型工業会の高橋誠会長は、技能試験の実施を通じて、「インドネシアに必要な技術移転の取り組みを、さらに進めていきたい」とコメントした。

写真 技能試験の様子(インドネシア金型工業会提供)

技能試験の様子(インドネシア金型工業会提供)

(北條恵理)

(インドネシア)

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