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オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏、日本との関係をさらに強化へ

(フランス)

パリ発

2020年02月03日

フランス南東部のオーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏(注)は日本を国際戦略上の優先国の1つに位置付け、2月17~23日に対日ミッションを派遣する。同地域園はこれまで中国を重視してきたが、日本は地域圏内の企業やクラスターにとって高い可能性を秘めた市場だとして、エネルギー転換や未来産業、ロボットのほか、同州が強みとする山岳・環境分野などで日本側との交流強化を図る。

オーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏商工会議所が発行した同地域圏の主要経済指標の冊子2020年版PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、この地域圏のGDPは、フランスの地域圏(région)としては2位、EU圏の地域(region)としては4位で、フィンランドを上回っている。人口はオーストリアやスイスにほぼ匹敵する。フランス第2の経済都市圏であるリヨンを抱え、19世紀の絹織物産業に根ざすモノづくりの伝統を基に、最先端分野の化学・製薬・繊維、機械・輸送機器、電子・IT関連、金属など多様な産業を発展させてきた。

同地域圏と日本の間には既に産業間や地域間連携の実績がある。産業用機能繊維については、リヨンの繊維クラスター「テクテラ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が日本を最優先国と位置付け、2005年から地元企業と日本の繊維メーカーとの協力を推進してきた。2014年には両国首脳も出席して産学官関係者による「繊維分野に関する協力覚書」への署名に結実した。テクテラは現在、7つの欧州繊維クラスター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの対日共同プロジェクトの推進役となっている。メカトロニクスや精密機械・加工技術では長野県諏訪地域、メカトロニクス分野で三重県、メカトロニクスとバイオ分野で香川県が、それぞれ地元の中小企業の国際展開支援などを目的に、ジェトロの地域間交流事業(RIT)を通じて、同地域圏内の交流先と数々のマッチング活動を実施してきた。この相互発展の成果は進出日本企業数にも表れており、過去20年で3倍、約150社となった。

最近では、ナノ素材研究で著名な「ミナテック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」、デジタル分野のクラスター「ミナロジック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」や「リヨンバイオポール外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」など、競争力ある同地域圏のエコシステムが輩出した、人工知能(AI)やロボット、再生医療などの地元スタートアップ企業の日本進出も進展。さらに、パリの「ステーション・エフ(Station F)」を参考にアクセラレーターのエイチ・セブン(H7、法人名兼施設名)が地元フレンチ・テック(2019年8月15日付地域・分析レポート参照)のイニシアチブにより、2019年5月にスタートアップを育成する施設をリヨンに開設した。発展途上であるものの、ジェトロがH7に取材した1月9日時点で既に53のスタートアップが入居しており、アプシル(保険)、スエズ(水・廃棄物処理)、中国の華為技術(ファーウェイ)といった大企業もパートナーとして支援している。

また、豊かな自然環境に恵まれた同地域圏は、スポーツや観光分野にも強みを有しており、2月の対日ミッションには山岳クラスターも参加する。メンバー企業である、世界最大のスノーリゾート運営会社カンパニーデザルプ(Compagnie des Alpes)は、日本のスキー場の近代化にビジネスチャンスがあるとみて、2014年には同業で日本最大手のマックアースと資本業務提携をしている。同社は今後、日本での拠点展開も視野に入れており、ミッションに参加する予定だという。

(注)地域圏(région):フランスの地方行政4段階(大きい順に、地域圏、県、市町村広域連合体、市町村)のうち最も広域な単位。2015年の改革で、その数は海外領土を含めて22から13へ削減された。「州」と訳す場合もある。直接選挙(多数決と比例代表制の組み合わせ)で選出される議員から成る地域圏議会が主要な地域政策の方向性を決定する。地域圏議会議員が選出する地域圏議会議長は、地域政策の優先順位を設定するとともに、地域の予算を管轄する。議長には大臣経験者など政界の重鎮が就任する場合がある。

(門元美樹)

(フランス)

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