ペトロブラスの2019年石油・天然ガス生産、過去最高を更新

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年02月18日

ブラジル国営石油会社ペトロブラスは2月10日、2019年の石油・天然ガスの生産量が日量平均で過去最高を記録したと発表した。石油換算量で、前年比5.4%増の日量277万バレルとなった。同社の2019年の生産量目標は日量270万バレルだった。

ペトロブラスの2019年第4四半期(10~12月)の生産量は日量302万5,000バレルで、2019年12月には330万バレルに達した。同社が保有する埋蔵量は95億9,000万バレルで、10.5年分の生産量に相当する。なお、同埋蔵量には、2019年11月にブラジル政府が実施した入札で取得したイタプー、ブズィオ両深海油田鉱区の埋蔵量は含まれていない(2019年11月21日記事参照)。

ペトロブラスの石油生産拡大を牽引しているのは、プレソルトと呼ばれるブラジル沿岸の深海部に存在する大規模油田だ。ペトロブラスは、2006年にプレソルトにおける埋蔵量を確認したことを発表し、2010年から原油商業生産を進めている。

プレソルトにおける原油生産量は増加している。2019年のプレソルトにおける石油生産は、前年比28%増の日量127万7,000バレルだった。これは、2019年の国内石油生産量全体(217万2,000バレル)の59%に相当する。なお、2019年12月には日量153万3,000バレルにまで達した。

ペトロブラスは、自社で培った深海油田開発技術を生かして、アンゴラやナイジェリアのアフリカ沖でも開発・生産を進めている。プレート理論によると、1億6,000万年前にゴンドワナと呼ばれる大陸が分裂し、南米とアフリカの両大陸になっており、同理論に基づき、アフリカ沖にもプレソルトが存在するとみているからだ。

プレソルトにおける石油・天然ガス生産拡大では、今後も浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)の建造など、日本企業が得意とする関連資財需要の拡大も期待されそうだ。

(大久保敦)

(ブラジル)

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