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知識経済振興法、施行早々に廃止、優遇対象の企業規模など不明確

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年01月24日

アルゼンチン政府は1月20日付官報で工業生産開発省決議30/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、1月1日に施行したばかりの知識経済振興法(2019年6月10日付法律第27506号)を廃止した。同法について定めた2019年10月16日付決議449/2019号(2020年1月9日記事参照)と、同法管轄官庁を指定した決議1084/2019号を無効とした。

知識経済振興法は、知識や情報のデジタル化を推進し、経済活動分野の活性化を目的に制定されたが、今後は、同法の対象への申請は停止され、既に対象となっていた企業についても、法人税の減税や従業員の社会保障費軽減といった優遇措置は受けられなくなる。

同法は、マウリシオ・マクリ前政権下で制定された。2019年12月10日に就任したアルベルト・フェルナンデス大統領も就任前から「良い取り組み」だと称賛していたが、今回の決議では、非自動輸入ライセンス制度などを管轄するアリエール・スチャレ長官が率いる工業・知識経済・対外通商庁を管轄官庁と定め、適用ルールを見直す必要性について記載している。しかし、工業生産開発省の関係者は報道機関に対して、「(知識経済に関する分野で雇用創出や経済全体を活性化する)法律の目標自体には賛同できるものの、導入が困難と思われる点が多く、詳細な情報が欠けている。例えば、優遇措置の対象となれる企業の規模について明らかになっていない。解釈の違いが発生する恐れが高い」として、同法を無効とした理由を述べた。

現地紙「パヒナ12」の1月21日付記事によると、知識経済振興法は企業規模を区別することなく、大手企業のメルカドリブレやIBM、アクセンチュア、シェブロン、FOX、マイクロソフト、JPモルガン、オラクルなどがその他の中小企業と同等の恩恵が受けられる仕組みになっていることに対して批判の声があったと指摘する。今後2週間をめどに中小企業が優遇される仕組みに改めるべく、新たな規制措置が発表される予定だと同紙は伝えている。

知識サービス産業に関連する業界団体から具体的な反応は出ていないものの、1月20日付「Infobae」紙は、企業の間では先行き不透明な政府の取り組みに懸念があると報じている。野党で元上院議長のフェデリコ・ピネド氏は「知識経済は12万人の雇用、60億ドルの輸出を生み出している。法的枠組みを停止することは極めて深刻であり、たったワンクリックで投資が他国に移る可能性が出てくる」と、自らのツイッターを通じて政府の判断を批判した。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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