セブ島含む中部ビサヤの最低賃金を引き上げ、マニラ首都圏も間もなくか

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月27日

フィリピンのセブ島を含む中部ビサヤ地方(注1)の地域賃金生産性委員会(RTWPB)は1月5日、同地方の最低賃金を引き上げた。同地方の引き上げは2018年8月以来1年5カ月ぶりとなる。

1日当たり318~386ペソ(約700~850円、1ペソ=約2.2円)とされていた中部ビサヤ地方の非農業分野の最低賃金は356~404ペソに、プランテーション(注2)および非プランテーションの農業法人は351~394ペソに上がった(表参照)。

2018年はインフレ率が過去最高水準の5.2%を記録し、マニラ首都圏を含むほとんどの地方が最低賃金を引き上げたが、2019年はインフレ率が通年で2.5%に抑えられ(2020年1月20日記事参照)、最低賃金を引き上げた地方は、コルディリェラ、イロコス、東ビサヤ、西ビサヤ、カラガの5地方だけにとどまった。

マニラ首都圏の非農業分野の最低賃金は、2018年11月に500~537ペソと設定されて以降1年間変動はなかったが、労働雇用省が2019年11月、2020年初頭にも引き上げる可能性を示唆した。なお、1月9日現在で引き上げは実施されていない(2019年12月6日記事参照)。

多くの日系企業の工場が集積するカラバルソン地方も、2018年4月に非農業分野の最低賃金が317~400ペソと設定されて以降、約2年間変動がない状況だ。

表 フィリピン地域別最低賃金(日給、2020年1月時点)

(注1)ボホール州、セブ州、シキホル州、東ネグロス州を含むビサヤ諸島の中部に位置する地方。

(注2)24ヘクタールを超えるか、20人以上を雇用する農園または農業法人。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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