日本の大学通信教育がスタート、日本での就業も視野に

(ウズベキスタン、日本)

タシケント発

2020年01月20日

ウズベキスタンの首都タシケントで、初の日本の大学による通信教育がスタートした。日本の遠隔教育サービスプロバイダー大手のデジタル・ナレッジ(本社:東京都台東区)は1月16日、「ジャパン・デジタルユニバーシティーズ」(注)の入学式をタシケント市内のホテルで実施。今回、試験的に男女合わせて20人の学生が入学した。学生は、最初の半年は日本語を集中的に勉強し、その後は日本の大学による通信教育を受け、日本の通信制大学の卒業資格を取得する。同事業は、2019年12月のミルジヨエフ大統領の訪日時に調印された覚書案件(2020年1月15日記事参照)の1つ。

デジタル・ナレッジは兵庫県と東京都の大学2校と連携し、日本から遠隔大学通信教育を行う。デジタル・ナレッジが両大学の授業内容(映像)に日本語の字幕を付け、学生の受講をサポートする一方、学生は日本の大学と同様に4年間で124単位を取得し、期末には日本語によるレポートを提出する。出席はウェブカメラを通じて確認される。

今回、デジタル・ナレッジが提供する通信制大学教育事業の特徴は、卒業生の日本での就業を想定していることだ。同社は学生に対して日本での就業支援を行うほか、在学中に通常の大学通信教育に加え、IT技術や就学素養(社会人マナー)の習得に向けた追加授業(約70単位)や日本とのコワーク(遠隔による仕事)を実施し、来日時に即戦力となる人材を育成する。同社は将来的に、1,000人規模の学生を集めることを目標にしている。

入学式に出席したデジタル・ナレッジの𡌶(はが)弘明代表取締役はジェトロに対し、「ウズベキスタンには若者が多く、誠実な国民性。ウズベキスタン側から要請のあった事業で、両国の経済交流の拡大に貢献したい」とコメントしている。

2019年下半期からは、民間送り出し機関による技能実習生の派遣も本格化しており(2019年11月1日記事参照)、ウズベキスタンと日本との民間人材分野での交流が活発化している。

写真 入学式の様子。ウズベキスタン側からは投資貿易省の国際協力局長が出席(デジタル・ナレッジ提供)

入学式の様子。ウズベキスタン側からは投資貿易省の国際協力局長が出席(デジタル・ナレッジ提供)

(注)ウズベキスタンのサルドル・ウムルザコフ投資貿易相の命名。

(高橋淳)

(ウズベキスタン、日本)

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