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トランプ米政権、外資への投資規制の最終規則を発表、2月に施行

(米国)

ニューヨーク発

2020年01月16日

米国財務省は1月13日、外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)の最終規則を発表した。正式には1月17日に官報に公示され、2月13日から施行される。FIRRMAおよび同規則により、外国企業からの米国内への重要な技術およびインフラや機微な個人情報、不動産などに関わる投資の審査が厳格化される。2018年8月に議会を通過したFIRRMAについては、2019年9月に規則案が発表されていた(2019年9月18日記事参照)が、今回発表された最終規則では、規則案発表以降のパブリックコメントを踏まえた追加修正がされたほか、カナダ、英国、オーストラリアに対する2年間の例外措置が付与された。

最終規則は投資一般PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)不動産投資PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に分かれており、FIRRMA(注1)に基づき、安全保障上の観点から、外国企業の対米投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の機能・権限を拡充する内容となっている。これまでCFIUSの審査対象ではなかった、米国内の事業に関わる重要技術・インフラ、機微な個人情報などが関わる非支配的な投資(Non-Controlling Investments)のほか、空港や港湾、軍事施設が近接する不動産の取引も今後審査の対象となり得る。

財務省は、規則案の発表以降に行ったパブコメを踏まえ、幾つかの追加変更を加えており、規則案の時点で不明確だった文言について、定義や適用範囲が明確化されている。例えば機微な個人情報については、米軍関係者や安全保障業務に携わる連邦職員の情報、100万人以上の個人情報を商用目的で扱う米国事業が対象となるが、最終規則では遺伝情報の治験データは上記条件を問わず、米政府が研究目的で提供するデータを対象外とするなどの緩和措置を与えている。ほかにも、投資ファンドに対する規制の適用範囲や、同一企業に対する段階的な投資(incremental investment)について、CFIUSへの宣誓(Declaration)を行った案件がどのような場合に規制対象外になるかを事例に基づき明確化している。

また、国別措置として、カナダ、英国、オーストラリアについては、米国との間でインテリジェンスの共有と防衛産業基盤の統合メカニズムが強固との理由から、規則施行後2年間にわたり、上述の非支配的な投資や特定の不動産投資について、CFIUSの審査対象外となる。ただし、これらの国であっても、米国事業を直接支配するような投資案件については、CFIUSの審査対象となる。財務省は、国別措置について、安全保障面で重要な決定であるために対象国を限定しており、今後、対象国を拡大する可能性があるとしている。

財務省は、2018年11月からFIRRMAの一部を先行実施するパイロットプログラムを施行しているが、同プログラムの規則の多くは最終規則に引き継がれている(2018年10月16日記事参照)。従って、特定産業に関係する重要技術を扱う米国企業への投資については、最終規則施行後もCFIUSへの宣誓(事前届け出)が義務付けられる。重要技術の定義については、2018年輸出規制改革法により規制される新興・基盤的技術(emerging and foundational technologies)(注2)のほか、北米産業分類(NAICS)に基づく27の特定産業が指定されている。また、投資を行う外国企業は、投資の概要を記した5ページ以内の宣誓書を任意提出することで、事前にCFIUSに審査の要否について判断を求めることができる。CFIUSによる審査手数料は別途、財務省が発表を行うとしている(注3)。

(注1)FIRRMAの詳細については、対米外国投資委員会(CFIUS)および2018年外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)に関する報告書(2019年8月)PDFファイル(743KB)参照。

(注2)2019年1月14日時点で、まだ新興・基盤的技術の定義の詳細は発表されていない。

(注3)FIRRMAは、審査対象の案件の取引額の1%または30万ドルのうち、どちらか低い方の金額を上限とした審査手数料を申請者から徴収する権限をCFIUSに与えている。

(藪恭兵)

(米国)

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