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ロート製薬が香港に海外初の基礎研究拠点設立、2020年1月中に本格稼働

(香港)

香港発

2020年01月08日

ロート製薬の初の海外における基礎研究拠点「樂敦尖端研究香港」(Rohto Advanced Research Hong Kong、以下、ロート香港)は、2020年1月中に本格稼働を予定している。ロート香港は、2019年9月に香港サイエンスパーク(香港科学園)内に設立され、再生医療を中心とした最先端分野の研究を進める。

香港進出の4つの理由

香港に拠点を設立した理由を、ロート香港の小林英二総経理に聞いたところ、(1)広東語とともに英語が公用語として使われ意思疎通のハードルが低いこと、(2)優秀な人材を採用できること、(3)中国本土に隣接しており、香港を足掛かりとして中国への業務展開が可能なこと、(4)香港政府やHKSTP(香港科技園、香港サイエンスパーク運営会社)から補助金などの手厚い支援が受けられること、の4点を挙げた。

(2)については、香港の5つの大学が、世界の大学ランキングのトップ100(注)に入るなど、香港には世界中から優れた頭脳が集まっている。

(4)については、まず、HKSTPによる賃料の引き下げ措置を活用している。HKSTPは入居企業に対して、2019年10月から2020年3月末までの半年間の賃料を半額としている(2019年9月20日記事参照)。

人材採用に関しても、香港政府が複数の補助プログラムを実施しており、ロート香港もこれらの活用を進めている。「ポスドクハブ(Postdoc Hub)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は博士号取得者の採用に対する補助で、博士号取得者2人まで、1人当たり月額最高3万2,000香港ドル(約45万円、1香港ドル=約14円)を最長36カ月間補助するものだ。「リサーチャープログラム (Researcher Programme)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は、地元の大学卒業者を対象に、学士号取得者には月額最高1万8,000香港ドルを、修士号取得者には月額最高2万1,000香港ドルをそれぞれ最長36カ月間(各1人)にわたって支給する。また、香港域外から採用した従業員に対しては、毎月最大1万香港ドル、最長12カ月の家賃補助がある。

資金面のみならず、各社にそれぞれHKSTPの担当スタッフが付き、法律や許認可関連への対応、補助金申請などにおいて手厚いサポート体制が組まれているという。

このほか、香港サイエンスパークには充実した共同実験室が整備されており、高額な機器もリーズナブルな価格で利用できる点や、同パーク内に進出する同業他社とさまざまな機会を通して意見交換できる点なども、香港で研究を行うメリットだという。

大学などとの連携を強化へ

ロート香港は今後、自社での研究を進めるほか、研究結果をより早く成果につなげるため、香港の大学や病院、さらには香港域内の企業と共同研究を進めるべく、現在複数の候補と協議している。

小林総経理は「医薬品の研究開発という面では、香港での薬事承認制度の問題や、取得した研究成果の中国本土での活用など、検討すべき課題は多い」としつつ、「可能であれば、数年以内には初期の臨床開発に結び付けられるような研究を行っていきたい」と意気込みを示した。

写真 ロート香港の小林総経理(左)と黒木輝研究員(右)(ジェトロ撮影)

ロート香港の小林総経理(左)と黒木輝研究員(右)(ジェトロ撮影)

(注)世界大学評価機関の英国クアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds)が2019年6月に発表した「QS World University Rankings 2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」。

(渕田裕介)

(香港)

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