2019年12月の米小売売上高、3カ月連続の増加

(米国)

ニューヨーク発

2020年01月24日

米国商務省の速報(1月16日付)によると、2019年12月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.3%増の5,296億ドルとなった(表参照)。10月(5,264億ドル、前月比0.3%増)と11月(5,278億ドル、0.3%増)に続き3カ月連続で増加した。なお、11月の売上高は0.2%増(速報値)から前月比0.3%増に上方修正された。

表 業種別小売売上高(季節調整済み)

ムーディーズ・アナリティクスの金融政策調査責任者ライアン・スイート氏は「雇用市場(の需給)が逼迫(ひっぱく)し、所得が緩やかに伸び、金利も低く、家計のバランスシートも良い状態にある」ため、「消費者は支出を続けるための十分な力を持っている」ことを示していると指摘した(「ブルームバーグ」1月16日)。

ガソリンスタンドが最大の押し上げ要因に

業種別にみると、ガソリンスタンドが前月比2.8%増の450億ドルと、全体を最も押し上げた。次いで、建材・園芸用品が1.4%増の321億ドル、衣料が1.6%増の227億ドルとなった。

減少した業種をみると、自動車・同部品が前月比1.3%減の1,066億ドルだった。

民間調査会社コンファレンスボードが12月31日に発表した12月の消費者信頼感指数は126.5と、11月(126.8)より0.3ポイント減少した。内訳をみると、現況指数は170.0(11月:166.6)と3.4ポイント上昇し、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は97.4(11月:100.3)と2.9ポイント減少した。

コンファレンスボードの経済指標シニアディレクターのリン・フランコ氏は「現況指数は改善したものの、雇用や収入に関する短期的見通しの軟化を主因として期待指数が低下した」と述べた。今後については「経済がさらに弱まる兆しまでは見られないものの、2020年初めに成長、特に個人消費の勢いが増すことを示唆するものはほとんどみられない」と指摘した。

(樫葉さくら)

(米国)

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