ウラジオストクで2月1日から観光警察が始動

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年01月23日

ロシア内務省沿海地方局は1月14日、ウラジオストクで訪問客の安全確保と観光客のサポートに従事する観光警察を設置すると発表した。2月1日から始動する。

背景には、沿海地方における観光客数増加がある。同地方は極東における観光産業のリーダーで、極東連邦管区を訪れる観光客の73%以上を受け入れ、その数は増加し続けている(2019年7月24日記事参照)。沿海地方政府によれば、2019年に同地方を訪れた外国人は94万1,501人で前年比20.9%増、そのうち、観光目的での訪問者数は76万2,819人で17.0%増となった。国別でみると、観光客のトップ3は中国、韓国、日本だった。

観光警察の任務は、a.ロシア滞在中の外国人の快適さと安全性の確保、b.歩行者エリアのパトロール、c.外国人観光客への援助、d.観光客に対する違法行為への迅速な対応など。観光警察は、一目見て判断できるように、ロシア語と英語で「観光警察」と書かれた腕章を着ける。

観光警察官の要件は、a.犯罪歴がないこと、b.中等教育以上の学歴、外国語の知識は必須(日本語、中国語、韓国語の知識があることが望ましい)、c.健康であること、d.ロシア連邦軍での兵役経験者。加えて、全観光警察官は事前に、外国語や観光客とのコミュニケーションルールなどのトレーニングを受ける。給与は、3カ月の試用使用期間中は3万ルーブル(約5万4,000円、1ルーブル=約1.8円)、その後は勤務年数や経験に応じて4万~4万5,000ルーブルが支払われる予定。

現在は募集中で、内務省沿海地方局のイリーナ・シロワ情報広報部長は「東洋諸語を学んでいる極東連邦大学の学生に加えて、沿海地方以外からも応募や問い合わせが来ている」という。

なお、ロシア国内では、モスクワ、サンクトペテルブルク、ソチに観光警察が設置されている。

(秋塲美恵子)

(ロシア)

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