上半期の沿海地方の外国人観光客数は25%増加

(ロシア)

モスクワ発

2019年07月24日

ロシア沿海地方政府の発表(7月11日)によると、2019年上半期の同地方への外国人来訪者数は約40万人、うち観光客数は30万人(前年同期比25%増)となった。

観光客の国籍で最も多かったのは、前年比で8.1%減だったものの依然として中国(約15万人)。2番手は韓国(約12万2,000人、72%増)となった。日本からは前年同期比2.3倍の1万1,000人だった。米国(1,300人、2.2倍)やオーストラリア(850人、4倍)、インド(730人、31%増)からの観光客も大きく増加した。

極東・北極圏発展省によると、極東の主要空港など国境通過ポイントで導入されているインターネット経由での簡易ビザ申請手続き(以下、Eビザ)は、2019年初から5月20日までに発給数が2万件を超え、特に中国と日本からの申請が多いという(2019年5月27日記事参照)。アレクサンドル・コズロフ極東・北極圏発展相はモスクワでの同省理事会で、Eビザの対象国を現在の19カ国からAPEC加盟国・地域に拡大することを提案している。なお、ロシアと韓国は60日以内の短期滞在ビザを相互免除している。

ロシア全体で見ても、沿海地方は多くの外国人観光客を受け入れている。観光雑誌「ロシアにおける休暇」(6月6日)によると、2018年の連邦構成体別外国人観光客数ランキングで、沿海地方はモスクワ、サンクトペテルブルク、モスクワ州に次いで4位だった。

観光客の増加とともに、ウラジオストク国際空港の近隣国への路線も増加している。2018年は、12月にロシアのウラル航空が札幌(新千歳)間の定期便運航を始めた(2019年1月10日記事参照)ほか、韓国のイースター航空、ティーウェイ航空などがソウルや韓国の主要都市とウラジオストクを結ぶ定期便を就航させた。2019年に入っても、韓国のチェジュ航空が務安、中国の吉祥航空が上海、北京首都航空が西安との定期便を就航させている。

(タギール・フジヤトフ、エカテリーナ・セミョノワ)

(ロシア)

ビジネス短信 edce84e6de6330a1