沿海地方~中国を結ぶトランジットコンテナ輸送が好調

(ロシア、中国)

モスクワ発

2020年01月06日

ロシア鉄道(RZD)の発表(12月19日)によると、2019年1~11月に国際輸送回廊「プリモリエ1」(綏芬河国際輸送回廊:ロシア沿海地方グロデコボ駅~中国黒龍江省綏芬河駅を経由)を通じたトランジットコンテナ鉄道輸送量は、6,000TEU(20フィートコンテナ換算単位)に達し、前年同期に比べ4割増加した。

1~11月に中国発のコンテナを積んだブロックトレイン(注)63本が「プリモリエ1」を経由し、沿海地方の港を通じてコンテナが輸送された。列車の本数は前年同期比で50%増となった。63本のうち31本がウラジオストク港、32本がボストチヌィ港を経由し、最終目的地である中国南部、日本、韓国などに輸送された。「プリモリエ1」によるトランジットコンテナ輸送は2016年に始まった。

また、ロシア鉄道の発表(12月20日)によると、国際輸送回廊「プリモリエ2」〔図們江(豆満江)国際輸送回廊:ロシア沿海地方マハリノ駅~中国吉林省琿春駅を経由〕を通じたトランジットコンテナ鉄道輸送も着実に拡大している。「プリモリエ2」は、沿海地方のザルビノ港に接続する。同ルートを利用した定期輸送は2018年8月から始まった。2018年8~12月の「プリモリエ2」経由の輸送量は661TEU(月平均132TEU)だったが、2019年1~11月には3,327TEU(302TEU)が輸送された。

ロシア政府が2016年12月、「プリモリエ1」と「プリモリエ2」の今後の発展コンセプト(2017年3月13日記事参照)を承認して以来、沿海地方経由のトランジットコンテナ輸送量は増加。2018年11月には「プリモリエ2」を通じて、鳥取県の境港から中国吉林省の長春まで貨物を試験輸送するプロジェクトも実施されている(2018年11月14日記事参照)。

(注)列車1編成の貨物全てが、同一の起点と終点で輸送される貨物列車のこと。

(タギール・フジヤトフ)

(ロシア、中国)

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