生活必需品の統制価格や品目数を更新

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年09月18日

アルゼンチン工業生産・労働省は9月7日、2014年からインフレ対策の一環として実施しているプレシオス・クイダードス制度に基づき品目と価格などの更新を行ったと発表した。同制度は、政府が商業施設や生産者と協定を結ぶことで、食料品をはじめとした生活必需品の価格を統制するものだ。対象品目とその価格および同制度に参加する商業施設は4カ月ごとに更新される。

前回6月の更新以降、自国通貨アルゼンチン・ペソの急落によって、国内市場における物価が不安定となっている。今回の更新では、スーパーマーケットのチェーン店が自社ブランド商品を対象に組み入れることを発表するなど新規に127品目が追加され、対象品目は計550品目以上に達した。対象商品の約6割は食品・飲料だ。ダンテ・シカ工業生産・労働相は「小売業界やスーパーマーケットと協力しプレシオス・クイダードス制度を拡大・強化した。特に食品の必需品に焦点を当て、主な製品が手ごろな価格となるようにした」と述べた。対象品目とその価格は2019年1月6日まで固定され、工業生産・労働省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認が可能。

政府発表によると、今回の更新による対象品目価格の平均上昇率は3.1%。シカ工業生産・労働相は9月10日の会見で、設定価格について「企業の収益性を損なわない価格とする。現時点で、価格に大きな差が生じていることは理解している」と発言した。また、同価格が消費者にとって「良い参考指標」となるとし、その価格は「最低価格を少し上回り、平均価格を下回る価格だ」とした(「アンビト」紙9月10日)。

写真 ブエノスアイレス市内のスーパーにあるプレシオス・クイダードスの表示(ジェトロ撮影)

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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