IMF、2020年のサブサハラの経済成長見通しを下方修正

(アフリカ)

ヨハネスブルク発

2020年01月29日

IMFは1月20日発表の「世界経済見通し」で、2020年のサブサハラ・アフリカ地域(以下、サブサハラ)の実質GDP成長率見通しを3.5%とし、2019年10月の前回発表の3.6%から下方修正した。2021年の成長率予測についても、同0.2ポイント下方修正して3.5%とした(2020年1月21日記事参照)。

IMFは下方修正の要因として、南アフリカ共和国で財政悪化などを背景に景況感や民間投資意欲が減退していること、エチオピアで債務の脆弱(ぜいじゃく)性を緩和するために必要な公的部門の健全化プロセスが成長の足かせになることを挙げた。域内2位の経済規模を有する南アの2020年の成長率予測は0.8%(前回1.1%)、2021年は1.0%(同1.4%)と、それぞれ下方修正した。他方で、域内最大の経済大国ナイジェリアの成長率予測は2020年(2.5%)、2021年(2.5%)と、それぞれ前回の発表を据え置いた。

なお、世界銀行が1月7日に発表した「世界経済見通し」(サブサハラ編)では、2020年の実質GDP成長率を2.9%と予測している(2020年1月16日記事参照)。2019年成長率の2.4%(予測)から上昇するものの、サブサハラの主要国の需要の低迷や資源価格の回復の遅れ、複数の国における国内問題などを成長鈍化の要因として挙げている。国別では、東アフリカのルワンダ(8.1%)、ウガンダ(6.5%)、ケニア(6.0%)や西アフリカのコートジボワール(7.0%)、ガーナ(6.8%)、セネガル(6.8%)などが域内平均を大きく上回ると予測した。他方で、油価低迷の影響を受ける域内有数の産油国の赤道ギニア(2.3%減)や、政治的混乱が続くスーダン(1.4%減)では、2020年はマイナス成長が続くとの見方を示している。

(高橋史)

(アフリカ)

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