2020年の世界経済成長率は2.5%にとどまる、世界銀行の予測

(世界)

国際経済課

2020年01月16日

世界銀行は1月8日、世界経済見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(GEP:Global Economic Prospects)で、2020年の世界の経済成長率を2.5%と予測した(表参照)。貿易や投資の回復が緩やかだとして、成長率を前回見通し(2019年6月)から0.2ポイント下方修正した。

表 世界および主要国・地域の経済成長率

経済、貿易ともに回復の見込みも、伸びは低水準

2019年は財貿易が縮小し、製造業の活動が著しく鈍化したことなどを背景に、経済成長率は2.4%(推定値)と世界金融危機以降最低の水準となった。2020年は経済成長率がわずかに上昇するものの、貿易における緊張の再燃や、各国・地域の急激な景気悪化、新興途上国・地域における金融不安など、下振れリスクが根強いと指摘した。

世界銀行は、世界の貿易量(財、サービス含む)についても見通しを発表し、2019年の貿易量の伸び率は1.4%と、経済成長率と同様、世界金融危機以降最も弱い伸びになると推定した。先進国や中国などの新興途上経済圏において財貿易が減速したことや、米中間の貿易における緊張の激化、政策の不確実性上昇などが背景にある。

一方で、世界銀行は米中間の貿易交渉が第1段階の合意に達したことなどで、発動済みの保護貿易措置の一部が相殺されつつあると評価した。その上で、2020年の貿易量の伸び率は1.9%と予測し、米中間の交渉による追加関税のさらなる撤廃など、貿易における緊張が緩和すれば、伸び率が予測を上回る可能性もあると分析した。

(柏瀬あすか)

(世界)

ビジネス短信 f3734112c272acb2