1~9月の貿易は黒字拡大も、米国との不均衡が課題に

(ベトナム)

ハノイ発

2019年12月17日

ベトナム税関総局によると、2019年1~9月の輸出は1,946億5,330万ドル(前年同期比8.4%増)、輸入は1,875億404万ドル(8.4%増)だった。貿易収支は71億4,926万ドルの黒字となり、2019年上半期から黒字幅が拡大した(2019年8月30日記事参照)。

主要国・地域別では、輸出相手先1位が米国で446億5,092万ドル(前年同期比27.6%増)、2位が中国で282億4,630万ドル(2.1%減)、3位が日本で149億8,330万ドル(9.3%増)だった(表1参照)。輸入相手先では、1位が中国で554億2,851万ドル(17.3%増)、2位が韓国で352億9,590万ドル(0.7%増)、3位が日本で141億8,391万ドル(2.2%増)となった。米国に対しては輸出の伸びが続いており、貿易黒字が拡大した。中国に対しては輸入が増える一方、輸出はマイナスに転じ、貿易赤字が拡大した。

表1 ベトナムの主要国・地域別輸出入(通関ベース)

主要品目別にみると、輸出では1位が電話機・同部品で388億1,462万ドル(前年同期比5.7%増)、8月に韓国・サムスン電子が発売したスマートフォン「ギャラクシーノート」の最新モデルが伸びを支えた。2位はコンピュータ電子製品・同部品で256億1,146万ドル(17.7%増)、3位は縫製品で246億1,347万ドル(9.6%増)となった(表2参照)。

表2 ベトナムの主要品目別輸出(通関ベース)

輸入では、1位がコンピュータ電子製品・同部品で382億5,477万ドル(前年同期比21.7%増)、2位が機械設備・同部品で268億8,585万ドル(12.3%増)、3位が電話機・同部品で106億2,948万ドル(3.3%減)だった(表3参照)。

表3 ベトナムの主要品目別輸入(通関ベース)

貿易不均衡の是正に向けて動く米国

ベトナムの貿易額は増加しているものの、その伸び率は前年を下回る見込みだ。また、最大の輸出先である米国は、貿易不均衡の是正に向けた動きをみせている。11月に同国を訪問した米国のウィルバー・ロス商務長官は現地紙の取材に対して、「ベトナムに対する米国の貿易赤字を削減したい」と話した(「トゥオイチェー」紙12月13日)。同時に、ロス商務長官は、ベトナムの商工相から農業やエネルギーなどの分野で米国の貿易赤字を減らす具体的な過程を含んだ計画が示されたと明かし、その計画の実行に期待を示した。

(庄浩充)

(ベトナム)

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