上半期の貿易、輸出増も貿易摩擦を警戒
(ベトナム)
ハノイ発
2019年08月30日
ベトナム税関総局によると、2019年上半期の輸出は1,225億3,324万ドル(前年同期比7.2%増)、輸入は1,209億4,415万ドル(8.9%増)だった。貿易収支は15億8,909万ドルの黒字となり、2019年第1四半期(1~3月)から黒字を維持している(2019年6月6日記事参照)。
資本内外別の貿易収支は、外資企業が150億3,917万ドルの黒字、国内企業が134億5,008万ドルの赤字となり、外資企業がベトナムの貿易黒字を支えている構造は変わっていない。
主要国・地域別では、輸出相手先1位が米国で275億808万ドル(27.3%増)、2位が中国で166億7,898万ドル(0.3%増)、3位が日本で96億5,934万ドル(8.9%増)だった(表1参照)。輸入相手先では、1位が中国で356億8,571万ドル(18.2%増)、2位が韓国で225億2,558万ドル(0.8%減)、3位が日本で88億3,527万ドル(0.7%減)となった。2019年上半期時点で、米国への輸出と中国からの輸入が前年の伸び率を大きく上回っている。一方、中国への輸出は2019年に入って伸びが止まっている状況だ。
主要品目別にみると、輸出では1位が電話機・同部品で234億9,520万ドル(3.9%増)、2位がコンピュータ電子製品・同部品で155億2,147万ドル(14.1%増)、3位が縫製品で150億9,173万ドル(10.3%増)となった(表2参照)。
輸入では、1位がコンピュータ電子製品・同部品で239億434万ドル(18.9%増)、2位が機械設備・同部品で176億4,615万ドル(13.2%増)、3位が織布・生地で65億6,496万ドル(4.7%増)となった(表3参照)。
輸出の先行きには不安も
現地報道によると、商工省輸出入局のファン・バン・チン局長は、国際的な貿易の低迷もベトナムの輸出増には不利には働かないと予測するが、上半期の推移のままでは、政府の2019年目標輸出額約2,620億ドル(前年比7~7.5%増)の達成が難しく、商工省は対策を急いでいる。
商工省アジア・アフリカ市場局の担当者は、中国の人民元安と米中貿易摩擦の激化に対して警戒を強めている。同時に、日本と韓国の関係悪化が波及して産業全体に影響しないか懸念を示した。米国、中国、韓国、日本はベトナムの貿易相手国の上位を占めるため、これらの国における貿易の低迷はベトナムの輸出に影響する可能性が大きい。
(庄浩充)
(ベトナム)
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