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ハンガリー外務貿易相、中・東欧の魅力と新EUの見方を語る

(ハンガリー、EU)

欧州ロシアCIS課

2019年12月10日

ジェトロが12月6日に東京で開催したセミナーで、ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外務貿易相がハンガリーをはじめとした中・東欧諸国の投資先としての魅力と、12月1日に新体制が発足したEUについての見方を語った。

シーヤールトー外務貿易相は、ここ10年間で中・東欧諸国の立ち位置は大きく進展し、2018年のV4(ビシェグラード4カ国:スロバキア、チェコ、ハンガリー、ポーランド)の実質GDP成長率はEU平均の2倍の水準となっていることを指摘した。V4合わせた人口は6,400万人で、1つの国としてみれば、EUでドイツに次ぐ規模。また、ハンガリーでは、トレードオフの関係にあるとされてきた経済成長と財政規律の両立を実現していると述べた。

写真 登壇するシーヤールトー・ハンガリー外務貿易相(ジェトロ撮影)

登壇するシーヤールトー・ハンガリー外務貿易相(ジェトロ撮影)

外務貿易相はまた、経済成長を支える人材供給の面では、教育機関からビジネス現場へ即戦力となる人材を輩出できることも強みで、ハンガリーの企業は中等教育と高等教育の双方で連携を深めており、カリキュラムに関与しているとした。これにより、実践的な知識を身に着けたエンジニア、IT技術者などの人材を企業が獲得できる仕組みを提供しているという。

V4は政治的にも大きな役割を果たしている。新欧州委員会(注1)では、チェコ、スロバキアの委員は副委員長ポストを務めるほか、ポーランドの委員は農業担当、ハンガリーの委員は欧州近隣政策・拡大交渉を担当し、いずれも新欧州委での重要なポジションを占めている。

外務貿易相はEU統合について、ハンガリーとして反対している点も幾つかあると指摘。「強いブリュッセル(注2)と小さな加盟国からなるEU」よりも、「強い加盟国から構成されるEU」の方がより強いEUとなるだろうとの見解を明らかにした。例として、難民・移民政策や税制、財政政策の統合・調和を挙げた。どういった人材を受け入れ、拒否するかは加盟国の権限であるべきと述べたほか、EU内の税制の調和により高税率国に合わせて法人税引き上げ義務が生じ、例えば、一律9%を課すハンガリーなどの低税率国の競争力が失われかねないと懸念を示した。

写真 セミナーの冒頭、シーヤールトー外務貿易相が講演(ジェトロ撮影)

セミナーの冒頭、シーヤールトー外務貿易相が講演(ジェトロ撮影)

ハンガリーには日本企業が約170社進出しており、日本はアジアで最大の投資国となっている。外務貿易相は、日本企業はハンガリー経済にとって重要と述べ、「ハンガリーにはまだ投資環境として改善の余地があることは認識している。日本企業の声に耳を傾け、改善していく」と語った。

(注1)欧州委員会はEUの立法提案権をほぼ独占するほか、行政執行を主に担う。各加盟国から1人ずつ推薦され、欧州議会で承認された委員がEUの個別の政策分野を担当する。

(注2)EUの主要機関が集まるブリュッセルはEU主権の象徴とされる。

(福井崇泰)

(ハンガリー、EU)

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