中古右ハンドル車輸入時の緊急通報機器の搭載義務猶予、再度1年延長

(ロシア)

モスクワ発

2019年12月05日

ロシア政府は、ロシア極東地域の住民による中古右ハンドル車輸入に際しての緊急通報機器「ERA-GLONASS(エラ・グロナス)」の搭載義務を12月3日から1年間免除する連邦政府指示PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2019年12月3日付第2895-r号)を導入した。

今回の指示は、2018年11月に導入され去る11月21日に失効した同種の時限的措置(2018年11月27日記事参照)の実質的な延長に当たる。指示の内容は、極東連邦管区に住所登録があるか同管区に移転する住民による中古右ハンドル車輸入手続きで緊急通報機器の搭載を免除するもの。対象となる自動車は、座席が8席以下(運転席を除く)の人員輸送用の車両(カテゴリーM1)と、最大重量が3.5トン以下の物品輸送用の車両(N1)で、申請者1人につき1台で個人使用目的に限定される。

ロシア極東地域では、中古車を中心に日本車の人気が根強い(2019年12月5日記事参照)。緊急通報機器はエアバッグなどの安全装置と連結させる必要があるが、輸入中古車への後付けが困難であり、また、装着作業による自動車価格上昇の懸念もあるため、住民は輸入車に対する搭載義務免除の継続を求めていた。11月21日の時限的措置失効以降、緊急通報機器未搭載の輸入車に対する安全証明の発行が停止され、1,500台以上の車両が保税倉庫に滞留していた(「プリマメディア」11月25日)。

ドミトリー・メドベージェフ首相は12月2日にモスクワで開かれた副首相との会合で当該指示の導入を発表するとともに、永続的な延長措置は適切でなく、緊急通報機器の搭載問題を根本的に解決する必要があると述べた。

(戎佑一郎)

(ロシア)

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