中古右ハンドル車輸入時の緊急通報機器の搭載義務を1年免除

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年11月27日

連邦政府はロシア極東の住民に対し、中古車の輸入に際しての緊急通報機器「ERA-GLONASS(エラ・グロナス)」の搭載義務を1年間免除する時限措置を導入することを明らかにした。

連邦政府ウェブページで公示されたのは「個人使用のための極東連邦管区住民による中古右ハンドル自動車のロシア連邦領域への搬入の一時的手続き」に関するテキストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ドミトリー・メドベージェフ首相が承認した。時限措置の内容は、極東連邦管区に住所登録があるか同管区に移転する住民による中古の右ハンドル車輸入手続きにおいて緊急通報機器の不搭載を認めるもの。対象となる自動車は、座席数が8席以下(運転席除く)の人員輸送用の車両(カテゴリーM1)と最大重量が3.5トン以下の物品輸送用の車両(N1)で、申請者1人につき1台で個人使用目的に限定。各種報道によると、発効は11月28日の予定。

11月16日にウラジオストクで行われたメドベージェフ首相とユーリ・トルトネフ副首相兼極東連邦管区全権代表、オレク・コジェミャコ沿海地方知事代行の会談で、トルトネフ副首相とコジェミャコ知事代行がエラ・グロナスの搭載義務制度の見直しを求め、同首相も「(制度の)再検討が必要」と応じた。緊急通報機器についてはエアバッグなどの安全装置と連結させる必要があるが、(極東で普及している)輸入中古車への後付けが困難であり、かつ搭載しても実質的に役に立たないと市民の不評を買っていた。同制度は2017年1月から実施されているが、制度開始時も当局の準備不足からウラジオストクを中心に混乱が発生していた(2017年4月17日記事参照)。

(高橋淳)

(ロシア)

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