韓国による東南アジアのインダストリー4.0支援

(ASEAN、韓国)

ジャカルタ発

2019年12月25日

インドネシア工業省と韓国国立研究評議会(NRC)が2018年9月、インドネシアのインダストリー4.0実現に向け協力覚書を締結した。インドネシアはインダストリー4.0導入に向けたロードマップ「Making Indonesia 4.0」を2018年4月に発表している(2018年4月12日記事参照)。

12月中旬にバリで第1回合同小委員会が開催され、具体的な協力事項について両政府間で協議した。さらに、協力に基づき2020年中に韓国がインドネシアに5,000万ドルの支援を行うことが明らかになった。具体的には、NRCと工業省が2020年から実施する実証事業の資金として活用する見込み。工業省のハルヤント金属・機械・輸送機器・電子機器局長は「共同研究や専門家派遣、キャパシティービルディングなどが検討されている」と述べた。対象は「Making Indonesia 4.0」でターゲットとしている5分野(食品・飲料、テキスタイル・アパレル、自動車、化学、電器)。第2回合同小委員会は2020年2月に行われ、民間企業からさらなる協力を得るための働き掛けを行っていく予定。

韓国はASEANとの結びつきを「新南方政策」を通して強化していく方針だ(2019年12月6日記事参照)。11月に開催された韓国・ASEAN特別首脳会議で採択された共同声明には、韓国・ASEAN間の経済協力の1つとして「インダストリー4.0に備えたイノベーション分野での協力」が挙げられている。9月には、タイと韓国がインダストリー4.0に関する覚書を締結し、ロボットや次世代自動車などの次世代産業育成に向けた両国間の協力を確認した(2019年9月9日記事参照)。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はメディアに対し、「ASEANのポテンシャルを持続的なものにするには、韓国としてハイテク技術で貢献し、地域のコネクティビティーを改善したい」と述べた。

(上野渉、シファ・ファウジア)

(ASEAN、韓国)

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