プラユット首相が文韓国大統領と会談、新政権発足後初の外国首脳

(タイ)

バンコク発

2019年09月09日

プラユット首相は9月2日、タイを訪問した韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談を行った。韓国の大統領がタイを公式訪問するのは7年ぶり。7月のプラユット新政権発足後、タイを訪問した初の外国首脳となる。首脳会談の主な内容は次のとおり。

  • 第4次産業革命に関する覚書を含む、計6件の覚書を締結
  • 軍事情報包括協定(GSOMIA)の締結
  • 韓・ASEAN特別首脳会議、韓・メコン首脳会議に向け緊密に連携

第4次産業革命の覚書では、ロボットや次世代自動車などの次世代産業育成に向けた両国間の協力が確認された。この内容は、タイ政府が推進する「タイランド4.0」政策に即しており、相乗効果が期待される。また、プラユット首相は共同会見において、「タイと韓国における両国間の協力に限らず、韓国とASEANレベルでの包括的な発展に向け、互いに協力する余地は大きい」と述べた。

ソムキット副首相は会談に先立ち、韓国からの投資を東部経済回廊(EEC)に呼び込むため、さまざまな恩典や韓国工業団地の開設について検討するよう関係機関に指示。加えて、両国の経済協力をより深めるため、韓国経済協力委員会(KOTCOM)との会議開催に向けたスケジュール調整を行った(「クルンテープ・トラキ」紙9月2日)。

さらに、タイのスタートアップ企業と韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)および韓国のスタートアップ支援機関が、「イノベーション&スタートアップの開発に関する覚書」を締結した。タイと韓国の新興企業の成長を促進すべく、韓国のパートナー企業との協力を強化することを目指す(同紙9月3日)。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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