開港した北京大興国際空港の現状、交通アクセスの良さ、自動駐車システムも

(中国)

北京発

2019年12月26日

12月10日に在中国日系企業の団体である中国日本商会の調査委員会が視察団を組織し、北京大興国際空港(以下、大興空港)とその周辺で開発が行われている「日中国際協力産業園」を訪問した(2019年12月26日記事参照)。以下、大興空港の概況や各種インフラ・設備などの状況について報告する。

大興空港は北京市大興区と河北省廊坊市にまたがり、天安門から南に46キロ離れた北京市第2の国際空港だ。現時点で4本の滑走路を有しており、将来はさらに増設する計画となっている。

ターミナルのうち、4階は国際線出発口、3階は国内線出発口、2階は国内線到着口、1階は国際線到着口とタクシーやリムジンバス、路線バスの乗り場、地下1階が地下鉄「大興空港線」と高速鉄道「京雄線」に直結している。大興空港は交通アクセスの利便性の高さが特徴的で、地下鉄10号線の草橋駅から約19分、高速鉄道の北京西駅からは最短約30分で到着できる(2019年9月24日記事参照)。さらに、京雄線は2020年中には雄安新区まで延伸される見込みだ。同じ地下1階には国内線用の荷物預けカウンターと保安検査場もあり、国内線乗客は地下鉄や高速鉄道から降車後、同フロアで搭乗手続きを行うことができる。

空港内にはセルフ式荷物預け入れカウンターがあるほか、ロボットが車を適切な駐車スペースまで運搬する自動駐車システムなど、先端的なテクノロジーが活用されている。

写真 セルフ式荷物預けカウンター(空港側関係者の許可を得てジェトロ撮影)

セルフ式荷物預けカウンター(空港側関係者の許可を得てジェトロ撮影)

自動駐車システムは空港駐車場内に計4基設置されている。車を指定の場所に入れた後、パネル上で駐車を指示すると、運搬ロボットが車のナンバーと携帯電話番号などを確認の上、その車に最適な駐車スペースまで自動で運搬する。出庫の際は駐車時に取得したQRコードをパネルにかざすと、再びロボットが最初に車を入れたスペースまで車を運搬する。このシステムは1時間当たり10元(約156円、1元=約15.6円)で利用できる。

写真 自動駐車システムによる運搬作業(空港側関係者の許可を得てジェトロ撮影)

自動駐車システムによる運搬作業(空港側関係者の許可を得てジェトロ撮影)

航空機への搭乗時には、事前にシステム上で登録すると、顔認証によってパスポートのみで保安検査の通過が可能になる。今後は外国人も同システムを利用できるようになる見込みだ。

写真 大興空港4階レストラン街から搭乗口方向を望む(空港側関係者の許可を得てジェトロ撮影)

大興空港4階レストラン街から搭乗口方向を望む(空港側関係者の許可を得てジェトロ撮影)

(趙薇)

(中国)

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