9月末開港の北京大興国際空港、市内と結ぶ地下鉄運賃など公表

(中国)

北京発

2019年09月24日

9月30日に開港する北京大興国際空港(以下、大興空港)と北京市中心部を結ぶ交通網の整備が進み、地下鉄新空港線の運賃などが公表された(「新華社」9月15日、注)。

地下鉄新空港線は、草橋駅~大興空港駅の区間が、大興空港の開港と同時に開通する(所要時間は約19分、2019年9月3日記事参照)。なお2021年には、麗沢商務区に設置されたターミナルビル内の駅まで路線が延長され、建設中の地下鉄14号線と16号線、計画中の地下鉄11号線と乗り換えができるようになるほか、現在はフィジビリティー・スタディー(FS)の段階だが、将来的には雄安新区まで路線が延長される計画となっている(「新京報」8月30日)。

乗車券の種類と運賃、購入方法については以下のとおり。

  • 普通片道切符:普通車両に適用される普通片道運賃(表参照)。
  • ビジネス片道切符:ビジネス車両に適用される運賃は全区間均一50元(約750円、1元=約15円)となる。
  • 航空券とのセット購入による割引:大興空港の発着便・乗換便の乗客は航空会社経由で航空券を購入する際、空港線の片道切符を8割引で購入することができる(ビジネス片道運賃を含む)。
  • 電子回数券:草橋駅~大興空港駅の区間は、45回乗車券が550元、30回乗車券が470元、20回乗車券が385元で、草橋駅~大興新城駅は、45回乗車券が360元、20回乗車券が180元で購入できる。
  • 無料となる対象:大人1人に身長130センチ以下の子供が同行する場合、子供1人までが無料となるほか、目の不自由な人が乗車する場合には随行者1人が無料となる。
表 地下鉄新空港線の普通車両片道運賃

乗車券の購入には、カードをはじめ携帯電話内の電子カードやアプリも利用できる。また、各駅の券売機ではアリペイ(支付宝)やウィーチャットペイ(微信支付)も使用可能で、将来的には、顔写真を撮影して認証する方式の改札機が利用できるようになる(「新京報」8月30日)。

大興空港と北京市内を結ぶインフラの特徴について、北京交通大学中国交通運輸経済研究センターの李紅昌副主任は「地下鉄新空港線は、空港まで専用路線を結ぶ方式で、空港から都心部まで30分以内に到達できるようにする国家の目標を満たす」とした上で、「鉄道が利用されることは、自動車などの交通手段に比べ環境に優しい」との見方を示した(「北京商報」9月16日)。

(注)運賃は、30日間の事前公示を経て、9月15日に正式に発表された。

(趙薇)

(中国)

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