オーストラリア、輸入申告税と入港税を引き上げ

(オーストラリア)

シドニー発

2019年12月18日

オーストラリア連邦農業・水資源省は12月11日、バイオセキュリティー強化対策の予算に充当するため、2020年1月1日から輸入申告税と入港税を引き上げると発表した。

2020年1月1日から引き上げられる税の概要は表のとおり。

表 輸入申告税および入港税の改定状況

今回の引き上げの理由として、オーストラリア政府は、世界的に猛威を奮っているASF(アフリカ豚コレラ)をはじめとする家畜伝染病や、人間にも害を及ぼす病原菌の国内侵入を阻止するため、空港・港湾職員の増強、探知犬、3DのX線検査装置の追加導入などを行い、強力なバイオセキュリティーシステムの構築をさらに進めるため、としている。しかし中には、バイオセキュリティーに関わる輸入課徴金制度の導入延期により(2019年8月20日記事参照)、当初予定していた税収を得られていないことから、それを補填(ほてん)するための措置ではないか、とする見方もある。

なお、導入が延期されてきたバイオセキュリティー輸入課徴金制度は、このほど見直しを完了した。課税対象を当初の船主、港湾ターミナルのオペレーターなど海運関係者のみから、バイオセキュリティーシステムを利用する輸入業者(輸送手段を問わない)に変更し、2020年半ばの法案可決、2021年1月からの導入を目指して手続きが進められており、その行方が注目される。

(長島麻子)

(オーストラリア)

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