ブエノスアイレス市、中国からの観光客増加狙い誘致策を強化

(アルゼンチン、中国)

ブエノスアイレス発

2019年11月29日

アルゼンチン・ブエノスアイレス市長のオラシオ・ロドリゲス・ラレタ氏は11月21日、2023年までに外国人観光客350万人と留学生12万人を受け入れ、またサービス輸出を2.3倍に増加させることを目的とした、BAグローバル評議会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの設立を発表した。

市長は、11月19日にブエノスアイレス市への外国人観光客誘致を目的とした「ビジット・ブエノスアイレス」を創立することを市議会で表明したばかりだ(2019年11月20日記事参照)。今回、アルゼンチン国内の著名なビジネスパーソン、起業家、芸術家、そして他国政府との強いコネクションを持つ外国人ら計33人を招集し、各自が既に行っている活動を市が統合することで、さらなる国際都市化を目指す。

ブエノスアイレス市への外国人観光客数は年々増加し、2019年は300万人に到達するとみられており、今後、2023年までには350万人の受け入れを目標としている。ブエノスアイレス市の外交事務局長を務めるフェルナンド・ストラファセ氏は、ブエノスアイレスをニューヨーク、バルセロナ、ロンドンのような世界的な都市にして、生涯に一度は訪れるべき都市といわれる存在にしたい、と語る。

また、11月15日付「クラリン」紙によれば、ブエノスアイレス市は2017年に8万人の留学生を受け入れており、その滞在費、学費、交通費、レジャー費などを含めた国内消費額は1億ドル以上に上ると報じられている。今後は、2023年までに12万人の留学生を受け入れることを目標に据えている。ブエノスアイレス市は、QSベスト・スチューデント・シティ・ランキングの中で、「ラテンアメリカで最高の学術都市」と評価されており、この実績を武器に、留学生の誘致に積極的に取り組むとのことだ。

ブエノスアイレス市は、既にブラジルや欧州では観光地として一定の地位を確立しているが、今後は、地球の反対側に位置し、世界最多の人口を持つ中国人観光客の誘致に力を入れていく方針だ。早速2020年2月には、中国においてブエノスアイレス・ウィークというイベントの開催を予定している。在ブエノスアイレスの企業20社のリーダーからなる代表団を中国への視察に送り、北京、上海などの市長、そして中国工商銀行(ICBC)、テンセント、ファーウェイなどの大企業の最高経営責任者(CEO)と面談を行いながら、テクノロジー・イノベーション分野での協力関係を強化することを目標としている。さらに、投資誘致、留学生誘致のためのイベントも、併せて行うことが予定されている。

(津下みなみ)

(アルゼンチン、中国)

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