「ビジット・ブエノスアイレス」を立ち上げへ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年11月20日

アルゼンチンの11月15日付「クラリン」紙によると、ブエノスアイレス市の2019年上半期の外国人観光客は前年同期比25%以上増加の146万5,025人を数え、過去7年間で最も好調だ。2019年通年の見通しでは300万人を超えるとも言われており、同市の経済活性化につながりそうだ。

さらなるてこ入れを図るため、同市のオラシオ・ロドリゲス・ラレッタ市長は19日、海外からの観光客誘致を目的とした公的機関「ビジット・ブエノスアイレス(VBA)」の設立を目指すことを市議会で表明した。ホテルに宿泊する外国人観光客から宿泊税を新たに徴収し、それを、設立の財源に充てる構想だ。

ブエノスアイレス市では2019年1月10日から、ホテルの建設・改装・拡張に対する税制優遇措置が導入されている。新たにホテルを建設する場合は投資額の最大27.5%、既存のホテルの改装・拡張の場合には投資額の最大60%に相当する額が10年間税額控除されるものだ。11月14日付「クロニスタ」紙によると、導入開始から10カ月余りが経過した時点で、37のプロジェクトが優遇措置の対象となり、累計投資見込み額は10億4,000万ドルに上る。さらに、50のプロジェクトが検討中という。ホテルの建設・改装・拡張でより多くの外国人観光客を受け入れることは、ホテル業界だけでなくショッピング、レストラン、エンターテインメントなどの分野にも良い影響をもたらし、直接的な外貨獲得の重要な手段にもなることから、ブエノスアイレス市は観光分野への積極的な支援を進めている。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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