最低賃金を西ビサヤ地方が引き上げ、マニラ首都圏は1年間変動なし

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月07日

フィリピン労働雇用省(DOLE)西ビサヤ地方局の関係者は10月22日、セブ島の西側に位置し、パナイ島、ネグロス島、パラワン島などを含む西ビサヤ地方が10月末もしくは11月初めにも最低賃金を引き上げると発表した。西ビサヤ地方の最低賃金の引き上げは2018年6月以来約1年4カ月ぶりとなる。

西ビサヤ地方の非農業分野の1日当たりの最低賃金は295~365ペソ(約620~767円、1ペソ=約2.1円)から310~395ペソに、プランテーションを運営する農業法人は295ペソから315ペソに引き上げられる。非プランテーションの農業法人は295ペソのまま変わらなかった(表参照)。

2018年は、インフレ率が過去最高水準の5.2%を記録し、マニラ首都圏を含むほとんどの地方が最低賃金を引き上げたが、2019年に入り1~9月のインフレ率が2.8%に抑えられており(2019年10月10日記事参照)、最低賃金を引き上げた地方は、イロコス地方、東ビサヤ地方、カラガ地方の4地方(西ビザヤを含む)だけだ。マニラ首都圏の非農業分野の最低賃金は、2018年10月に500~537ペソと設定された以降1年間、変動がない。また、多くの日系企業の工場が集積するカラバルソン地方も、2018年2月に非農業分野の最低賃金が317~400ペソと設定された以降1年半以上、変動していない。

表 フィリピン地域別最低賃金(ペソ、日給、2019年10月時点)

(坂田和仁)

(フィリピン)

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