首都圏隣接のサングレー空港拡張事業、国内財閥や中国企業が応札へ

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月15日

マニラ首都圏の南西に隣接するカラバルソン地方カビテ州のジョンビック・レミューラ知事は11月5日、同州のサングレーポイント国際空港の拡張プロジェクトに地場財閥や中国企業が応札する方向で名乗りを上げていることを明らかにした。10月30日付の地元各紙が報じた。

レミューラ知事は、国内通信大手PLDTの持ち株会社メトロ・パシフィック・インベストメンツと、コンスンジ系財閥傘下の建設会社DMコンスンジがジョイントベンチャーのかたちで応札予定であり、SMグループやアヤラコーポレーションといった国内大手財閥グループも関心を示しているとした。また、中国交通建設集団(China Communications Construction)や中国民航空港建設集団(China Airport Construction Group)といった中国企業も応札予定だとした。カビテ州は11月25日に入札提案を締め切る。

サングレーポイント国際空港拡張プロジェクトの事業規模は100億ドルとされており、2020年1月に工事を開始し、3年以内に既存のサングレーポイント空港を国際線のハブ空港へと拡張予定だ。

7年連続で6%以上の経済成長を続けるフィリピンは、その急速な成長スピードに各種インフラ整備が追い付いておらず、空港インフラもその1つだ。国内最大の国際空港であるマニラ(ニノイ・アキノ)国際空港(NAIA)は、2019年1~9月の定時運航率が68%と低く(2019年11月6日記事参照)、NAIAへの一極集中を避けるために、マニラ市の北方約35キロで首都圏に隣接するブラカン州に新マニラ国際空港の建設を大手財閥サンミゲル・コーポレーションが進めている(2019年9月27日記事参照)。

そのほか、約2,000億円を投ずるNAIAの拡張工事や、マニラ首都圏の北方約150キロのパンパンガ州にある既存のクラーク国際空港の拡張プロジェクト、首都圏のマカティ市内からクラーク国際空港までを55分で結ぶ南北通勤鉄道プロジェクトも進行中だ(2019年9月4日記事参照)。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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