青島市で多国籍企業が集う「マルチナショナルズ・サミット」が開催

(中国)

青島発

2019年11月07日

山東省青島市で10月18~20日、「第1回青島マルチナショナルズ・サミット」(QMS)が開催された。QMSは、多国籍企業による意見交換を目的に中国で初めて開催されたサミットで、多国籍企業間の交流促進、中国への投資誘致、山東省の質の高い発展への貢献などを目標としている。

QMSでは、中国(山東)自由貿易試験区(2019年9月3日記事参照)について山東省政府から概要が説明されたほか、フォーラムや分科会など、合計で33のセッションが行われ、世界35カ国・地域から企業や政府の要人、学者ら500人以上の来場があった。うち「フォーチュン・グローバル500」に名を連ねる企業は115社に上った。

開幕式では、習近平国家主席から祝辞が寄せられたほか、韓正国務院副総理やハイアール・グループの張瑞敏最高経営責任者(CEO)、マイクロソフトのアレイン・クローツァー副社長、伊藤忠商事の鈴木善久社長らが出席した。

国連貿易開発会議(UNCTAD)のジェームス・ジャン投資・企業局長は「中国は今後より一層、政策や投資環境面でのさまざまな不確定要素を減らし、投資家からの信頼を獲得することで、イノベーションをもたらす多国籍企業からの投資を呼び込むことが大切だ」と述べた。

また、10月19日に開催されたフォーブスフォーラムでは、ジェトロの窪田修理事から、中国に進出する日系企業の活動状況、イノベーション創出に向けた事業、中国の高齢化問題に対する日中企業の協業可能性、ビジネス環境改善に向けた取り組みなどが紹介された。

写真 フォーブスフォーラムで講演をするジェトロの窪田修理事(フォーブス提供)

フォーブスフォーラムで講演をするジェトロの窪田修理事(フォーブス提供)

成長エンジンの転換によりイノベーションを呼び込む

QMSと併せて、10月19~21日には「2019年新エンジン・青島展示会」が、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)山東省委員会と山東省発展改革委員会により開催された。山東省政府は、2018年1月に国務院から批准を受けた「新旧成長エンジン転換総合試験区建設総体方案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(注)を掲げ、イノベーションを促進することで、省内の産業の高度化を目指している。

同展示会にはドイツ、米国、日本など35カ国から計261社が出展し、自動運転技術、仮想現実(VR)・拡張現実(AR)、第5世代移動通信システム(5G)技術などを活用したハイテク製品などが展示され、20カ国以上から3万8,000人以上が来場した。現地メディアは「総投資額9,000億元(約13兆5,000億円、1元=約15円)に及ぶ120の重要プロジェクトについて、600件以上の商談が行われた」と伝えている。(「大衆網」10月20日)

(注)ハイエンド製造、化学工業、情報技術、マテリアル、海洋産業、農業、文化・デザイン、ヘルスケア、観光、金融などの10大分野を重点的に支援するもの。

(田中正義)

(中国)

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