「モンゴル・ロシア・中国経済回廊」構想の重要拠点・ロシア国境2税関の改修が進行

(モンゴル)

北京発

2019年11月14日

モンゴル大蔵省によると、ロシアとの国境に位置するセレンゲ県のアルタンボラグ税関とスフバートル税関の改修工事が進んでいる。アジア開発銀行(ADB)の融資を受けてモンゴル政府が実施している税関改修プロジェクトの一環で、改修費はアルタンボラグ税関が1,360万ドル、スフバートル税関が170万ドルとなる。国際基準に準拠して改修を行うことにより、両税関の処理能力を拡大する。

アルタンボラグ税関は国境検問所、スフバートル税関は鉄道の国境駅に位置し、ともに重要な税関だ。また、「モンゴル・ロシア・中国経済回廊」構想の中でアジアハイウエー3号線と鉄道の中央回廊(ウランバートル鉄道本線)におけるモンゴルの北の玄関口と位置付けられており、9月12日に改修に着工した南のザミンウード国境税関と対をなしている(2019年9月30日記事参照)。

アルタンボラグ国境検問所では、モンゴル・ロシア国境を通過する車両の16%、旅客の15%が利用するが、設備が老朽化したことで、増加する車両や旅客への対応能力が追いつかず、問題となっている。今回の拡張によりアルタンボラグ税関の総面積は現在の2倍の3万平方メートルとなり、1日当たりの処理能力は車両で4倍、旅客で3倍になる見通しだ。また、検問所には中央監視室と遠隔システムで接続された車両用スマート検問所、高処理能力のX線検査施設を設置する。改修工事は2段階に分けて行い、2021年には全ての改修が完了する見込みだ。

スフバートル税関では、これまで分散していた税関、銀行、入管、専門検査局などを新設の庁舎に集約し、ワンストップサービスを受けられるようにすることで、通関所要時間を従来より30%削減できる。新税関庁舎は2020年10月の完成予定だ。

(藤井一範)

(モンゴル)

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