2019年プライマリーバランス赤字額、目標額の6割弱に縮小と連邦政府発表

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年11月26日

ブラジル連邦政府は11月19日、2019年基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字額が目標額より約600億レアル(約1兆5,600億円、1レアル=約26円)少ない、800億レアルなるとの見通しを発表した。同発表は、パウロ・ゲデス経済相やオニクス・ロレンゾーニ大統領府官房長らが行ったもの。

連邦政府は、2019年プライマリーバランス目標を1,390億レアルの赤字としており、赤字見込額800億レアルは目標額の6割弱となる。

ブラジルでは、2014年からプライマリーバランスが赤字となっている。2019年は6年連続の赤字が見込まれているが、2019年の赤字額は、2015年以降最も少ない額になりそうだ。

2019年のプライマリーバランス赤字削減額600億レアルの一部は、2019年11月に実施された大型深海油田鉱区入札による臨時収入が寄与する(2019年11月21日記事参照)。入札対象鉱区の一部(2鉱区)を落札したブラジル石油公社(ペトロブラス)が12月27日に230億レアルを連邦政府に支払う予定だ。ゲデス経済相は、連邦政府の財政支出拡大基調そのものを転換する必要があったと強調。大型深海油田鉱区入札による臨時収入が政府目標達成に貢献する、と説明した。経済省のロドリゲス財政特別局長は、他の深海油田鉱区入札による臨時収入に基づき、2020年プライマリーバランスの赤字目標額1,241億レアルは改善するとの見方を示したが、現段階で目標修正は行わないとしている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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