米環境保護庁、バイオ燃料添加に関する2020年規則案に係る補足通知を公表

(米国)

シカゴ発

2019年11月07日

米国環境保護庁(EPA)は、2019年7月5日に公表した、ガソリンなどへのバイオ燃料添加に関する最低使用義務量に関する規則案(注1)(2019年7月30日記事参照)について、10月15日に補足通知を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回の補足通知は、7月5日に公表したバイオ燃料の最低使用義務量を変更するものではないが、添加割合の計算方法を調整することで、バイオ燃料の使用義務が課せられるエネルギー関連事業者のバイオ燃料義務量(RVO)を引き上げ、再生可能燃料の利用促進を狙いとするもの。

このバイオ燃料義務量(RVO)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、当該関連事業者が販売するガソリンおよびディーゼル燃料の総量に対して、バイオ燃料の添加割合に関する基準を掛け合わせることによって得られる。添加割合外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、該当年において米国内で消費が見込まれるガソリンおよびディーゼル燃料の総量から、当該基準の設定以前にバイオ燃料の添加義務が免除された小規模製油所が生産するガソリンおよびディーゼル燃料の生産量を差し引いた数量を分母とし、バイオ燃料添加に関する最低使用義務量を分子とした、比率を基準としている〔4つのカテゴリー(セルロース系バイオ燃料、バイオマス由来軽油、先進型バイオ燃料、バイオ燃料合計)でそれぞれ設定される〕。

当該基準は、毎年11月末までに定めることとされているが(注2)、11月末以降にも小規模製油所に対して添加義務が免除されるため、結果的に、添加割合の数値が実態より下振れするといった状況が生じていた。このようなことから、当該基準の算出に当たっては、11月末以降に予想される免除に係るガソリンおよびディーゼル燃料の生産量をあらかじめ含めることができるようにする提案が行われた。

免除済みおよび免除が見込まれる小規模の製油所が生産するガソリンとディーゼルの生産量については、次のとおり複数の案が示されている。

  1. 2016年から2018年までの数量の平均値〔ガソリンは42億4,000万ガロン(約161億リットル)、ディーゼル燃料は30億2,000万ガロン〕
  2. 2015年から2017年までの数量の平均値(ガソリンは32億4,000万ガロン、ディーゼル燃料は24億2,000万ガロン)

本補足案については、10月30日に公聴会を開き、30日間のパブリックコメントを経て、2019年中の決定を予定している。

(注1)2020年のガソリンに添加するバイオ燃料と2021年の軽油に添加するバイオディーゼルの最低使用義務量に関するもの。

(注2)詳細は、U.S. Code § 7545.Regulation of fuels((o)Renewable fuel program (3)Applicable percentages)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(藤本富士王)

(米国)

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