CEATEC 2019、海外有力スタートアップ34社が日本企業にPR、北米からは7社が参加

(米国、カナダ)

米州課

2019年11月05日

ジェトロは、10月15~18日に幕張メッセで開催された日本最大級のIT・エレクトロニクス国際展示会「CEATEC 2019」に、パビリオン「JETRO Global Connection」を設置し、海外スタートアップと日本企業のミートアップ(商談会)を実施した。日本においてニーズの高いモビリティ、ヘルステック、スマートホームの3分野に特化し、海外15カ国・地域(イスラエル、インド、英国、エストニア、カナダ、コロンビア、シンガポール、スイス、中国、フィンランド、フランス、米国、ポルトガル、ルクセンブルク、台湾)から、34社のスタートアップを招聘(しょうへい)した。パビリオンでは、これらスタートアップが展示ブースを構え、商談を行った。

写真 CEATEC 2019におけるパビリオン「JETRO Global Connection」の様子(ジェトロ撮影)

CEATEC 2019におけるパビリオン「JETRO Global Connection」の様子(ジェトロ撮影)

日本企業とのさらなるビジネスを目指す北米スタートアップ

北米地域からは、米国4社、カナダ3社のスタートアップが参加した。米国を拠点に世界20カ国以上でライドシェアリングサービスを展開するビア・トランスポーテーション外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Via Transportation)は、複数人の乗客を最適なルートで複数の目的地まで送り届けるオンデマンド交通システムを手掛け、日本では同システムの交通事業者への提供を目指している。担当者は「交通事業者や地方自治体と協力しながら、交通弱者の移動手段を確保するなど地域の課題解決を支援したい」と語った。同社は2019年4月に伊藤忠商事、森ビルと戦略的パートナーシップを結び、東京に日本法人を設立している(2019年4月30日記事参照)。

同じく米国のファインダビリティ・サイエンシス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Findability Sciences)は、ビッグデータ、コグニティブ・コンピューティング、人工知能(AI)による予測分析プラットフォームを提供する。同社の予測分析プラットフォームでは、文章などの自然言語を処理し活用することで、より高精度な予測が可能になるという。同サービスは売り上げ予測、原材料価格予測など、小売り、金融、保険、製造、サービスなどさまざまな分野で活用が可能だ。同社は米国、欧州、インドでビジネスを展開してきたが、ソフトバンクの出資を受け、2017年9月に日本で合弁会社を設立し、日本企業との協業やサービス展開に力を入れている。

カナダのヌーボ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Mnubo)は、スマートホームや産業用設備向けにAIを活用したIoT(モノのインターネット)ソリューションを提供する。同社のシステムは、ヤンマーなど日本企業への導入実績もある。担当者は「収集したデータを業務効率化などに、どう活用すればよいか分からない企業は多い」と日本市場を分析し、さらなるビジネスチャンスを見いだす。また、同社起業の地であるケベック州モントリオール市は、AI技術のエコシステムが形成されており、日系企業との連携の可能性が広がっているという。

そのほか、北米から参加したスタートアップからは「普段会えない日本企業と話ができて有意義だった」「他業界との協業の可能性など、ビジネスに結び付くミートアップができた」などの声が聞かれた。

(綿引文彦、甲斐野裕之)

(米国、カナダ)

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